新カナヅカヒの問題 [青空文庫]

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  • 青空文庫
  • 新字旧仮名
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  •  いわゆる現代仮名遣いの始めの頃、試行錯誤の跡が分かる。「筈」の使い方が読み手への優しさと初めて知り、坂口安吾はなんだかんだ優しいよなうんうんと納得せざるを得ない(「クラクラ日記」をちょっと読んだ時もそう思った)。
     これでいきましょう!と最終的に決めるより、時代に沿って仮名遣いは変化していくというと、言葉の乱れだとか誤用とかよく議論されているのも、おかしいのでは?と思ってしまう。言葉は生き物と言う人がいるけれど、まさにそう。
     あと、古典は現代語訳読んで味わうくらいがちょうどいいと言われているけど、今もそうなんですよね……。

  • これは,漢字やかなづかいの話ではありますが,
    おっしゃられている内容は,そのことだけに限らないと思います.

    大きいことをなすとか,後世の役に立つ,すばらしいです.

    でもそれは結果から見たときに,ああ,あの人の仕事によって
    大きいことがなしとげられた,後世の役に立っていた,
    という性質のものであるはずで,
    最初からむやみに,勝手な想定でもって,
    未来を制限してはいけません.

    きっとそのような方は,自分自身では,将来を見据えているつもりかもしれないけれど,とんでもない,
    将来は無限大です.人の幸福もそれぞれです.
    想定などできるご自身の狭い視野の中に
    世界を押し込めようとしないでいただきたい.

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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