思索者の日記 [青空文庫]

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著者 : 三木清
  • 青空文庫 (2007年2月6日発売)
  • 新字新仮名
  • 青空文庫 ・電子書籍

思索者の日記の感想・レビュー・書評

  •  1939(昭和14)年1月5日の三木清の一日。1945年に獄死する6年前の正月です。

    「私の咳はかなり有名で、近所の子供はコンコンのおじさんと呼んでいる」
    「私が外出先から帰って来るときには、家に入らない前に咳でわかる、と亡妻はいっていたし、私が在宅か否かは咳が聞えるかどうかで判断することができる、と隣の人たちはいっている」
    ↑ちょっと近所迷惑的。当時は結核になる人も多かったはずですが、結核の心配はしなかったのでしょうか。

    「正月は田舎がなつかしい。東京には「正月」がない」
    ↑現在も季節感が薄れる傾向ありますが、この当時にもこんなこと書かれています。
     これは、戦争で正月らしさがないということを暗に示唆しているのでしょうか。

    「帰ってみると、机の上に子供が私の誕生日のために祝いの手紙と贈物のバットとを載せている。今日は私の誕生日」
    ↑野球のバットかと思いきや、煙草の銘柄のようです。当時は子どもも煙草を買えたのでしょうか。というより、禁煙した方がいいですよ。

     
     wikipedia:ゴールデンバット

    「自然の死、極めて日常的に死ぬることが日本人の願望なのである」
    ↑しかし三木清は日常的な死を迎えることはできず、悲劇的死を迎えたのだった。

    「私はかつて日本人には悲劇的精神がないからナチス流の政治は日本には適しないと書いたことがある。今日支那事変について「東洋の悲劇」などということを述べている日本主義者もあるが、日本主義者が悲劇的精神を説くのは日本主義の変質ではなかろうか」
    ↑当時も日本主義の変質について論じられている。今また論じることが必要な時流ではないのか。
      http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20170810/p1

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