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森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』 参考資料

佐藤史緒さんのまとめ

佐藤史緒さんのまとめ

ジャンル : / 小説・文芸

作成日 : 2012年10月29日

更新日 : 2016年12月20日

  • 森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』の中でネタとして使われている本などを、可能な限りリストアップしてみました。
    (2013.07.09:文献を補足し改訂しました。)
    (2016.12.19:資料を補足し改訂しました。)

  • 第一章「夜は短し歩けよ乙女」

  • 佐藤史緒さんのまとめ

    第一章のタイトルにして、作品名の元ネタです。 大正時代に上演された演劇(ツルゲーネフ原作『その前夜』)の劇中歌で、看板女優の松井須磨子が歌って大ヒットしました。その後も歌い手を変えながら現在まで歌い継がれている名曲です。作詞は吉井勇、作曲は中山晋平です。

    「ゴンドラの唄」

    いのち短し 恋せよ乙女
    朱(あか)き唇あせぬ間に
    熱き血潮の冷えぬ間に
    明日の月日のないものを

    いのち短し 恋せよ乙女
    いざ手を取りて彼(か)の船に
    いざ燃ゆる頬(ほ)を君が頬に
    ここには誰も来ぬものを

    いのち短し 恋せよ乙女
    波にただよい波の様(よ)に
    君が柔手(やわて)を我が肩に
    ここには人目ないものを
     
    いのち短し 恋せよ乙女
    黒髪の色 褪(あ)せぬ間に
    心の炎 消えぬ間に
    今日はふたたび来ぬものを

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    ヒロインが李白さんと飲み比べしたのは「偽電気ブラン」という架空のお酒ですが、その元ネタ「電気ブラン」はれっきとした実在のお酒で、明治時代に発売され人気を博しました。咳止めシロップのような甘いお酒ですが、アルコール度数は30°~40°なので、油断して一気飲みすると足元がおぼつかなくなります(経験済み)。

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    ちなみに、太宰治『人間失格』の中に、「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し、…」との一節があります。

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    酒と泪と男と男。…ジェンダー差別はよくないことですが、「女」を「男」に変えただけで濃厚な哀しみと痛々しさが漂う事実は否定できません。

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    ヒロインが京大OBのおじさん達と飲んだ、いわゆる「赤玉ポートワイン」がこれです。サントリーによるコピーフレーズを転載しておきます。 

    ”1907年(明治40年)4月。サントリーの酒造りの原点となる「赤玉ポートワイン」が世に送りだされました。発売当時の価格は1本(550ml)38-39銭。米1升が10銭という時代のなかで、「赤玉」は米4升に相当する贅沢品でした。お母さんのお母さんの、そのまたお母さんの時代から愛されてきた、日本を代表する甘味ワインです。ストレートやロック等でどうぞ。”

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    『桜門五三桐』という歌舞伎の演目があります。安土桃山時代に世を騒がせた大泥棒・石川五右衛門を主人公とした作品です。その中で、五右衛門が南禅寺の山門から下界を見渡し「絶景かな、絶景かな。春の宵は値千両とは、小せえ、小せえ。この五右衛門の目からは、値万両、万々両……」と見栄を切る有名なシーンがあります(南禅寺山門の場)。

    借金やら何やらでヤケクソになった東堂さんが、料亭の三階から身を乗り出して春画をばらまいている様子をみて、ヒロインは「大見得を切る石川五右衛門のごとく」と評し、樋口さんは「絶景かな」と呆れています。

  • 李白詩選 (岩波文庫)

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    佐藤史緒さんのまとめ

    酒を愛した唐の詩人・李白の作品に「山中与幽人対酌」という七言絶句があります。

    「山中幽人と対酌す」
    (さんちゅうゆうじんとたいしゃくす)
     
    両人対酌すれば山花開く
    (りょうじんたいしゃくすればさんかひらく)
    一杯一杯復一杯
    (いっぱいいっぱいまたいっぱい)
    我酔うて眠らんと欲す卿且く去れ
    (われようてねむらんとほっすきみしばらくされ)
    明朝意有らば琴を抱いて来れ
    (みょうちょういあらばことをいだいてきたれ)
     
    ヒロインとの飲み比べのシーンで、李白さんがこの詩の第二句を引用しています。そういえば、第一句がそもそもヒロインと李白さんの「対酌」にあたるような気もしますが、よくわかりません。

  • 第二章「深海魚たち」

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    ヒロインが中学生の時に愛読していた本。

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    『鳥とけものと親類たち』の続編。ヒロインが下鴨納涼古本まつりの百円均一コーナで発掘しました。

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    和服姿の美しい婦人が涼み台に座って織田作之助全集の端本を読んでいるシーンがあります。織田作之助は坂口安吾や太宰治などと共に「無頼派」と呼ばれた作家で、エリート的な正統派文学に反発し、市井の庶民の暮しぶりを描きました。代表作は『夫婦善哉』(映画化されてます)。

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    樋口さんが古本市で入手した本。『ジュスティーヌ』『バルダザール』『マウントオリーブ』『クレア』からなる4部作で、読書家の間では定評のある純文学です。

    ヒロインは「樋口さんの韜晦は、深い教養に裏打ちされてこそ為し得るものなのだ」と感服しますが、当の樋口さんは「こんな本には何の興味もなく中身も知らん。知人に高値で売り飛ばすのだ」と言っています。

  • 佐藤史緒さんのまとめ

    以上3つは、「古本市の神」を自称する少年が「超硬派なムツカシイ本」の例として挙げた本です。いずれも有名な本ではありますが、これを小学生が「こんなの常識」とばかりに挙げたことで、大学生である〈私〉の自尊心は粉砕されてしまいました。

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