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2012年の3冊

perottyさんのまとめ

perottyさんのまとめ

ジャンル : / 小説・文芸

作成日 : 2013年1月1日

更新日 : 2013年1月1日

  • perottyさんのまとめ

    第一に、2012年、川上弘美と出会えたことがなによりも嬉しかった。
    彼女の書くものが好き、というものを超えて、彼女自身とても魅力的である。
    形のあるものもないものも、等しく。
    見たものはそのまま、しかしそのままであるが故にどこか、不思議に現実と隔絶されているような感覚に陥る。
    ふとした笑いと、物悲しさ、儚さが、こちらの隙間にぴたとはまって、とても心地よい。

    あたしにとっての初めての川上弘美作品はセンセイの鞄であった。
    センセイと月子さんとの日々が、ただ描かれていて、本当に愛しい。
    美味しいものが食べたくなる。お酒が飲みたくなる。
    ふらりとどこかに、出かけたくなる。
    この一冊の影響が、あたしの私生活にだらだら流れこんでいる。でもそれが、嬉しい。何度も何度も読み返している。

  • perottyさんのまとめ

    みちが以前、この本のことを色色と書いていて、ああ、読みたいなあとずうっと思っていた。
    文庫が出た日に、書店へ出向いて、脇目も振らずに、買った。
    今まで読んだ森見作品に対する印象と、かけ離れた1冊。
    京都と大学生という舞台設定も面白くって好きだったが、あたしはこちらの方が好き。とても、好き。

    アオヤマ君もお姉さんも、ハマモトさんもウチダくんも、海辺のカフェのマスターも、アオヤマ君のお父さんも、皇帝スズキくんも、大好き。
    小さな頭でノートをつけて、仮説を立てて思考して、辛いときにはおっぱいのことを考えるアオヤマ君が、とても愛しい。

    ひとつひとつの章、ひとつひとつの文章がたまらなく好い。
    今後の森見作品も、楽しみである。

  • perottyさんのまとめ

    これはおじいちゃんが亡くなる前日に、ずっと病院で読んでいた一冊である。
    彼の切実な思い、痛々しさ、苦しさ、悲しさが渦を巻いてどろりどろりと、だけどなんだかとても甘く、身体に入って巻き込まれる。
    読み手と書き手が混同する。
    痛くなる、苦しくなる、悲しくなる。
    だけどなんだか嫌ではない。

    最後の一篇「HUMAN LOST」が本当に本当に好きだ。

    ”蝉は、やがて死ぬる午後に気づいた。ああ、私たち、もっと仕合せになってよかったのだ。もっと遊んで、かまわなかったのだ。いと、せめて、われに許せよ、花の中のねむりだけでも。”

    この一節を何度も口にしたくなる。
    本当に美しいと思う。たまらない気持ちになる。目を瞑って、ぎゅうっとしたくなる。この一節を口にしたあとのため息は、甘いものに違いないと錯覚してしまう。本当に好い。

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