人気のレビュー

ブクログで話題になっているレビューです。長文のレビュー、熱い感想を読んで好みの本に出会いましょう!

人気のレビュー一覧

触法少女 (徳間文庫)

触法少女 (徳間文庫)

ヒキタ・クニオ 2015年4月2日 Amazon.co.jpで見る ¥ 734

少女が罪を犯そうとしている、そして罪を認めるまでの過程が秀逸。本当に13歳の子どもにこれだけ事を実現できるのか、というところが不思議だけれど、丁寧に書かれた犯行準備の様子を読んでいるとできるんだろうな、と思えてしまった。そして警察の捜査が始まると、犯行の❝あまさ❞という部分もでてきて、余計リアルだった。

幸せの条件 (中公文庫)

幸せの条件 (中公文庫)

誉田哲也 2015年8月22日 Amazon.co.jpで見る ¥ 691

著者が、リサイクルライフに興味を持ったのが、この作品を書く動機だとか。
さらに、3.11の震災と原発事故が、著者の背中を押したそうだ。
減反、高齢化、待ったなしの農業問題に焦点を当て、その魅力(もちろん過酷な条件は都会に比べるべくもないが)や必要性を描いた一方で、食料自給率についての政府のまやかしを、登場人物に批判させている。
そして、福島第一原発は、東京電力の施設であり、関東の人がその恩恵を享受しているのに、被害を受け農地を奪われたのは東北の人々だと、訴える。

「農業小説」ともいえるこの系譜には、テレビドラマにもなった『限界集落株式会社』(黒田伸一著)や、主人公の青年が、米つくりに出会い成長していく『生きるぼくら』(原田マハ著)などがある。
題名とも関連するが、いずれも都会で自らの立場を見出せない者たちが、農村で生きる意味を見つけるサクセスストーリー。
「あなたが会社に必要とされていないのではなく、あなたにこの会社が必要ではないのだ。あなたのいるべき場所は他にあるはずだ。」―登場人物の言葉。
もっと、広く読まれるべき作品の一つといえよう。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

震災後、半年が経過した時が始まり。
中学受験に失敗し、公立中学に通っていじめに遭い不登校となった男の子と、震災後を取材する男との物語。
事実に沿って書かれているのだと思うが、やはり自分の目で見ていない以上、ああだこうだと言えない。
同じく中学生の息子がいるのだが、躾と称して厳しく小言を言ってしまう自分に思いっきり反省した。
期待をするのは親の勝手。息子に希望を持たなきゃ。
希望であれば裏切られることも、裏切ることもない。

夢を持ったまま死んでゆくのが、自分の夢という言葉に物凄く心を揺さぶられた。
まだまだ時間はある。出来ることを諦めずにやっていこう。

この本は息子にも読ませてあげたいです。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

東日本大震災で被災された方々に実際に取材をして書かれている、エッセイのようなフィクションのような物語だった。
書店ガールで同じテーマの物語を読んだ時に感じたけど、語彙力がなさすぎてこの感情をどう書いたらいいかわからないくらい、考えさせられた。
何を書いても、偽善や同情になりそうだけど、
実際に被災地に行ってこの事実を息子たちの世代にも継いで行くことが私が唯一役に立てることかなと思ったりする。
一人でも多くの人に読んでもらって、「忘れない」ことを広げていきたい。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

小説に仕立てた東日本大震災被災者へのインタビュー集
九つの章に仕立てられ、それぞれの章が報道、希望、転機、…とテーマを当てていくつかのインタビューでまとめられている。

wikipediaによると、本書に登場する田村章は著者重松清氏のフリーライターとしてのペンネームらしい。
其々のインタビューは短く、重松清氏の思いが田村章の言葉として綴られている。
数冊の重松氏の作品をこれまでに読んでいるが、本書はそれらの作品に比べ1章1章、1インタビューが重く、他の小説のようにスピーディーに読むことができなかった。

実際に重松氏が被災地の取材旅行に不登校の中学生を帯同したのかは定かではないが、きっと、重松氏は氏がこれまで手掛けた小説に登場するような青少年たちに、被災地の今と、絶望から復興への希望を現実にしようと努力する人たちの姿を目に焼け付けて、希望の光を他の誰かにバトンとして伝えてほしいと願ったのだろう。
自然の力の大きさと無情さ、被災地の惨状、被災者の苦しみと絶望、災害下でも人を助けようとする思い、二重三重の苦しみのなかでも立ち上がろうとする人の強さ、郷土を取り戻そうとする希望の力。被災地の絶望と希望を今の若者に見ておいてほしいと思ったのだろう。

本書は本文だけでは終わっていなかった。「4度目の春を前にー文庫版あとがきにかえて」でも、まだ取材・文筆活動をするにあたっての苦悩と今の被災地への思いがつづられている。
本書は被災地の復興活動とともに、まだまだ現在進行形なのだろう。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

プロローグに書かれていた『写真救済プロジェクト』・・
耳にしたことがありました・・私にも出来たのかなと・・

震災から半年目に始まった秋の旅・・
少しずつかわっていく若者を通すと、心に染みいるものがあります。
私がニュースでしか目にしていない実際の被災地・・
光司はライターに同行することが出来たことが、幸いでした。
震災が人生の転機になる・・自身の転機は?と考えました。
東日本大震災のドキュメント・・と言える作品でした。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

自ら被災地を訪れた取材をもとに作られたドキュメントノベル、それはどこから切っても重松さんそのものであり彼ならではの愛と優しさ溢れる作品。
それ故評価も高いのだがそんなメッセージを受けとめつつもどこか引っかかる、その違和感の正体はやはりなぜ不登校の中学生を物語の中心に持って来たのかということだろう。
手法としては定番中の定番なのだが「がんばり」の種類は明らかに違うものであり同じ土俵で括ってしまうのはあまりにも安易で双方に対して失礼なのではないか?
本文の中ではそうではないと否定はしているもののだったらそう描かなくてもいいではないか…穿った見方かも知れないが私はそう感じました

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

震災後の被災地をライターと不登校の中学生が巡る。
そこで二人は何を目にし、感じるのか。
今年で震災から五年。
忘れないでいるということは難しい。
あらためて震災(津波)の凄まじさを思うが、忘れている自分もあらためて思い出す。

2016.3.13

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

ドキュメントとして読む。
中学生の娘たちにも読ませたい。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

不登校になってしまった中学生光司がライターの田村と一緒に被災地を巡る、小説仕立てのドキュメンタリーといった趣。重松さんが実際に被災地に取材に行かれているだけあって、被災者の生の声が胸を打つ。津波によって風景が変わった町、風景は変わらないのに住めなくなった町、そこには同じ悲しみがあり、希望がある。その希望が絶望に変わることもあるだろうけど、希望がなくなってしまうと、きっと生きる気力まで奪われてしまうだろう。未だに再建の目途が立たない被災者の方に、どうか希望を捨てないでと、祈りにも似た気持ちになりました。

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

希望の地図 3・11から始まる物語 (幻冬舎文庫)

重松清 2015年2月10日 Amazon.co.jpで見る ¥ 648

被災地で復興に向けて前を向いて活動している人達。

一番心をつかまれたのは、津波で壊滅的な被害を受けた水族館。

「動物たちの死体をきちんと片づけるのが仕事」と頑張り続けた飼育員の方の話でした。

色々と考えさせられる作品でした。

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

白川紺子 2015年1月20日 Amazon.co.jpで見る ¥ 336

 緩やかに流れる日常とはんなりとした京都弁が素敵。アンティーク着物をはじめ、乙女ゴコロをくすぐる設定やら登場人物やらで気軽に楽しめます。
 シェイクスピアのソネットを使って想いを伝える、なんて現代では気障ったらしい以外の何物でもありませんが、家柄が大切だった時代では実らなかった恋ということも含めてロマンチックね。
 お祖母ちゃんの日記は年甲斐も無くドキドキしました(*´∀`*)ツンデレ…最高。
 主人公のお兄さんは古物商ということで、それこそ思いの宿った品物を扱った話がスピンオフで読めると楽しい。

ホーニヒベルガー博士の秘密 (福武文庫)

ホーニヒベルガー博士の秘密 (福武文庫)

幻想的なボルヘス作品を読み漁っているなか、『日本の作家が語る ボルヘスとわたし』では高橋源一郎さんらとともに平野啓一郎さんも執筆していました。ふと、そういえば以前にながめた平野啓一郎『小説の読み方』で彼が熱く語っていたミルチャ・エリアーデ……ふっふっふ、ここまで繋がれば、どうやら読むのに熟したようです♪

わたしにしてはめずらしく短編から入って少し不安でしたが、その見事な書き出しといい、緻密で硬派な内容といい、安心できるこなれた文体といい……この人は相当な書き手だろうな~そんなことをつらつら思いながら読みすすめていくうちに、あっというまにエリアーデの面妖な世界に引き込まれてしまいました。最初はタブッキの幻想小説『インド夜想曲』のような作風なのかしらん? と思っていたのですが、あまりの浅はかさに我ながらうんざり……ちがうちがう、もっと濃厚で、深遠で、妖しいぞ~。

★★★
『ホーニヒベルガ―博士の秘密』は、ある日、男のもとに舞い込んだゼルレンディという女の手紙からことがはじまります。彼女の話を半信半疑で聴いていた男は、しだいに行方不明になったゼルレンディ博士が取り組んでいたホーニヒベルガ―博士のサンスクリット研究やヨガ秘法を解明していくのですが、そのうちのっぴきならない事態に陥っていくのです。

『セランポーレの夜』の舞台は魅惑あふれるインド。生温かい夜の風に花の香がかすかに漂ってくるような……そんな美しい自然の描写に妖しい異界の時空も漂っています。サスペンス仕立てにハラハラしながら鳥肌がたってくるような作品。

ルーマニア出身のミルチャ・エリアーデ(1907~1986)は、なるほど10代のころから多くの作品を書いていた相当な手練れのよう。世界的な宗教学者でもあり、8つの言語(ルーマニア語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、英語、ヘブライ語、ペルシア語、サンスクリット語)にも堪能。すごい……天は二物も三物も四物も……与えるものなのですねぇ。

ところで、彼の短編のほとんどは幻想小説ですが、長編『マイトレイ』は、16歳の美しいインド女性マイトレイとの甘く切ない恋を描いた自伝的作品。その作風の違いに嬉しい驚きと発見! めくるめく夢のような青春作品を堪能しました。池澤夏樹世界文学で選り抜いた作品でもありますゆえ、切れ味鋭い短編との違いを楽しんでみるのもオツですよ~♫

柳生一族の陰謀 [DVD]

柳生一族の陰謀 [DVD]

深作欣二 映画 2002年7月21日 Amazon.co.jpで見る ¥ 4,860

1978年、東映。監督は深作欣二。
当時の東映が12年ぶりに放つ時代劇復興第一弾作品と予告編にあります。
主演は柳生但馬守宗矩役の萬屋錦之介。そして、準主役に柳生十兵衛役の千葉真一。特に千葉真一の柳生十兵衛の方は以後彼の当たり役になります。
この作品はサイドストーリーが多いというか、ある意味、焦点が拡散しているというか、見所がいろいろあるというか、共演の徳川家の面々だけでも、どもりの徳川家光役に松方弘樹、家光弟で駿河大納言忠長役に西郷輝彦、2人の母で忠長派のお江役に山田五十鈴、忠長派で御三家筆頭の尾張大納言義直役に三船敏郎がいて、これだけでもう皆さん主役を張れちゃいますよね。
また、家光派老中の松平伊豆守役に高橋悦史、家光派で乳母であった春日局役に中原早苗、忠長派老中の土井利勝役に芦田伸介、忠長の家臣・別木庄左衛門役に夏八木勲、忠長派の剣客で真新陰流・小笠原玄信斎役に丹波哲郎、忠長に味方する浪人として中谷一郎、小林稔侍(ほんまに端役!)らがいます。
柳生家としては、柳生但馬守の子にして十兵衛の弟・妹役として工藤堅太郎、矢吹二朗、志穂美悦子がいるほか、柳生に味方する根来一族として、室田日出男、真田広之、浅野真弓らがいます。サイドストーリーの登場回数からいって、まだ少年の面影を残している真田広之は準主役といってもいいじゃないかなあ。
それから、忠長との悲恋物語として出雲の阿国役に大原麗子、その彼女を陰ながら想う名古屋山三郎役に原田芳雄ですが、これはちょっと時代が合わないですね。(^_^;
それから京都公家役としては、金子信雄、梅津栄、成田三樹夫でどれも似合っていますが(笑)、特に公家にして剣豪役であった成田三樹夫はこのような役柄が当たり役の一つになっていますね。
ナレーターは鈴木瑞穂で、その他として水野晴郎や角川春樹も出演していたようですが気が付きませんでした・・・。
要は超豪華キャストということで、東映の気合いの入れようも相当なものがあったのですね。あー長っ!(笑)

二代将軍・徳川秀忠が死んだ。跡継ぎの三代将軍の座を巡り、長男・家光(松方弘樹)と次男・忠長(西郷輝彦)がそれぞれの派閥にわかれ相争うことになった。
そんな中の嵐のある夜、秀忠の遺体が眠る増上寺に賊が押し入り遺体から胃を取り出し持ち去ろうとする。それを防ぐ柳生の人々。実は秀忠は毒殺されており、その証拠を掴もうとする者がいたのだ。
ここに将軍の座を巡り家光派と忠長派の骨肉の争いの幕が切って落とされた・・・。

萬屋錦之介の柳生但馬守宗矩、いいですね~!いいよ!背筋がぴんと伸びてまさに剣豪。しかもこれ、主役だけど悪役だよね。(笑)
いきなり毒殺した側に加担して、陰謀を張り巡らせ、味方までも欺くこのえげつなさ。
萬屋錦之介が演じているとなぜか気品にあふれたヒールになるんですね。(笑)私利私欲に走らない悪役ぶりが良かったのかもしれません。
剣豪としてのシーンはそれほど多くなかったのですが、それでも剣さばきは凄かったです。さすが時代劇ヒーローは違いますね!今回はヒールだけど。(笑)
役柄上あり得ないけど、こうなれば三船敏郎とも対決して欲しかったです。(笑)

そして、千葉真一の柳生十兵衛ですが、似合い過ぎていて本当にこんな感じだったのではないかとすら思えます・・・。(笑)
しかし、本作では剣豪というよりは突撃隊長としての斬り合いやハードアクションのシーンが多く、剣豪としてのじっくり対決のシーンが少なかったように思いますので(成田三樹夫との対決とラストくらいか)、こちらの方ももう少し剣豪としての魅せ場を作って欲しかったかなと思いました。
また、終わってみれば真田広之の魅せ場がいろいろとあって、もしかすると柳生十兵衛よりも登場回数が多かったのでは?と... 続きを読む

星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)

星間商事株式会社社史編纂室 (ちくま文庫)

三浦しをん 2014年3月12日 Amazon.co.jpで見る ¥ 605

仕事よりも趣味重視。
大っぴらにはしていないけれど、けっこうそういう人はいそうな気がする。
主人公である幸代は、まさに趣味のために仕事をし、趣味のために生きている。
友人と定期的に作っている同人誌を売るイベントは、幸代にとっては何よりも大切にしているものだ。
だが、やる気がまったくなさそうに見えた編纂室の課長に同人誌作りがバレたことから、事態は思いもかけない方向へと転がり始めていく。

社史編纂のために行なったインタビュー以降、何やら不穏な動きをみせる正体不明の脅迫者。
友人は結婚のために同人誌を抜けると言い出し、長年付き合ってきた恋人はどうにも幸代との将来を見据えているとは思えない。
まさに風雲急を告げる展開で、いったいどんな結末が待ち受けているのかと楽しみだった。
それにしても、同人誌とはそんなにも隠さなければならない代物なのだろうか。
この物語が最初に発売されたのが2009年。
もうその頃にはコミケも一般に認知され、一部のマニアックな人の嗜好ではなくなっていたように思うのだけれど。

物語の核となるものは重いけれど、軽いタッチで書かれているために陰鬱さは感じない。
登場人物たちの明るさに救われている部分も多いように思う。
何よりも結末の後味の良さに好感が持てた。

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