有川浩 インタビュー&人気ランキング特集

一般読者の投票で決まる『ブクログ大賞』の小説部門で、3年連続大賞を受賞された有川浩さん。
「大人のためのライトノベル」というジャンルを確立し不動の人気を獲得、著作は次々に映像化されるなど、その勢いはとどまるところを知りません。
今回は、『図書館戦争』と『県庁おもてなし課』の映画化などについてのインタビューをお届けします。
今回の特集では、以前の有川浩さんのQ&Aやブクログ内での本棚登録数・評価数を集計したランキング「有川作品ベスト3」に加えて、角川文庫創刊65周年小冊子に収録されている有川浩さんの『図書館戦争』『県庁おもてなし課』の映画化・文庫化についてのインタビューを掲載しています!

有川浩インタビュー

『図書館戦争』&『県庁おもてなし課』、W映画化!

有川浩

撮影:ホンゴユウジ

今回文庫化された『県庁おもてなし課』は、高知県庁に実在する「おもてなし課」の皆さんとの出会いによって生まれた小説です。小説を書くのって頭脳労働だと思われるかもしれませんが、私にとってはフィールドワークに近いんですね。私自身の故郷でもある高知というフィールド、高知県庁というフィールドに、自分の体というセンサーで切り込んでいく。そこで得た、生きた経験を書いていく。そういった意識を、特に強く持って書いた作品でした。「現実とフィクションの境目を曖昧にすることで、新しい面白さが見えないかな?」と、意識的に仕掛けた作品でもありますね。今までに何人もの方から、「本を読んで、高知県に旅行に行きました」という声を頂戴しました。「自分のふるさとを見直してみたいと思いました」という声も多かったです。読んだ後に、参加できる物語。現実の中に、持ち込んでいけるような物語。そんな「遊び方」を、読者さんに提案できた喜びがありますね。

この春には、『県庁おもてなし課』と、『図書館戦争』が実写映画化されます。『県庁』の方は、『阪急電車』と製作チームが同じですから、「どうぞお好きに」という感じでまったく心配ありませんでした(笑)。『図書館戦争』は初顔合わせのチームでしたが、素晴らしい出会いになりました。まず、プロデューサーがハートの熱い方で、原作も深く読み込んでくださっていました。佐藤信介監督も誠実な方で、実写化に込めた思いを長いメールで送ってきてくれたんですが、そこではフィクションでホラを吹くことについて書かれていて。キャラクターの感情に嘘がなければ、読者さんは大抵の嘘を呑み込んでくれると思っていた私自身の感覚と、すごく近しかったんですよ。『図書館戦争』を実写化するのは本当に難しいと思っていたんですが、この人だったら預けられると思いましたね。単行本刊行から7年越しの実写化というのは珍しいケースかもしれませんが、このタイミング、このチームを待っていたんだと、今確信しています。

キャストの皆さんも素晴らしかった。できあがった映画はどちらも、作り手が原作を愛してくださっているのが伝わってきて、じわっと涙がにじむ瞬間が何度もありました。小説ではできない、映像ならではのアレンジもすごく魅力的なんですよ。映画に携わった皆さんの、原作を愛しながらも勝負をかける、そんな心意気に、私は泣かされたんだろうなと思っています。

構成:吉田大助 (角川文庫創刊65周年小冊子より)

図書館戦争 4月27日(土)公開
県庁おもてなし課 5月11日(土)公開

『フリーター、家を買う。』『阪急電車』などのベストセラー作家・有川浩の代表作『図書館戦争』は、現在までに続編と別冊も含めて6冊が発表され、シリーズ累計300万部を越える超人気作品。コミック化、テレビアニメ化、劇場アニメ化を経て、今回ついに初実写化が実現。舞台は近未来の日本。国家によるメディアの検閲が正当化されている時代に、検閲に対抗するために生まれた自衛組織・図書隊が繰り広げる、本と自由を守る闘いと恋を描く王道エンタテインメント物語。キャスティングには、初共演となるV6の岡田准一と榮倉奈々。原作イメージぴったりに、SF、アクション、ラブコメ、ツンデレ…が展開します。

【映画公式サイト】
www.toshokan-sensou-movie.com

いま最も面白い”物語”を生み出す作家・有川浩。その彼女の地元・高知を舞台にした話題作がついに映画化!物語は、県庁に突如生まれた新部署”おもてなし課”を舞台に、仕事に恋に奮闘する若き県庁職員の輝かしい日々を描く、恋する観光エンタテインメント。
主演は、いま最も勢いのあるグループ・関ジャニ∞の錦戸亮。ヒロインには、朝ドラ「梅ちゃん先生」で人気を不動にした堀北真希。原作の読後感をそのままに、爽やかな感動をお届けします!

【映画公式サイト】
www.omotenashi-movie.com

ブクログランキング1位 『図書館戦争』

2008年にProductionI.Gによりアニメ化され、その斬新な設定と個性豊かなキャラクターで人気を博した、「図書館シリーズ」の第1作目。
検閲から本を守るための組織「図書隊」の奮闘と隊員である主人公の恋愛の行方。
有川氏の得意とするSF+ミリタリー+ラブコメの三要素が遺憾なく発揮された代表作です。
本作は、「図書館の自由に関する宣言」を見かけたことが執筆のきっかけになっているそうです。

みんなのレビュー

  • 国家権力による検閲とそれに対抗する図書館+ラブコメディで、分かりやすく物凄く面白いです。大好きです。
  • 昔、これを読んで図書館で働きたいと思ったんだよなあ…。
  • 超特急純粋乙女と似たような上官のラブコメ。えっと…有川さんは予言者ですか?
  • 恋愛要素ももちろんだけど、 笑いの部分がすごく秀逸(*^_^*)
  • 期待通りの非常に爽やかな読後感。

[アニメ]図書館戦争

2008年に放映されたアニメ版の図書館戦争。制作はProduction I.G。

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有川浩「図書館革命」

図書館シリーズ4作目。極上のエンターテインメントに仕上がっていた完結編

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ブクログランキング2位 『阪急電車』

2011年に4月に実写映画化された連作短編小説集。関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、片道15分の胸キュンストーリーです。

みんなのレビュー

  • 平凡な日常の中の気持ちなんだけど、キュンとしてふわっとしてキリッとして、こういう気持ち忘れているかもしれない。
  • 偶然以上、運命未満。片道たった15分の電車に乗り合わせたことで始まるお話。
  • 阪急電車に乗って、舞台となっている駅でぶらりと途中下車してみたくなりますね。
  • 何処でどう生きて行くにしろ、凛として生きて行きたい。緩やかに人と繋がりながら。そんな風に思いました。
  • 爽やか、そしてとても温かい気持ちになれる、ほのぼのとした連作短編。

映画「阪急電車」

中谷美紀主演で待望の映画化。出演は、戸田恵梨香、宮本信子など。
音楽はaiko、脚本はテレビドラマの人気脚本家の岡田恵和、監督は、草なぎ剛の「僕〜」シリーズの三宅善重。

ブクログランキング3位 『植物図鑑』

第1回ブクログ大賞小説部門受賞作品!受賞時の有川氏のコメントはこちら»
「男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!」
ある日道端に落ちていた男の子との同居生活を描いた最強の恋愛小説。作中の野草料理も、美味しそう!と評判です。

みんなのレビュー

  • マニアックさと女性的な完成が融合した作品はやっぱり有川さんらしい。
  • ベタベタだ、恥ずかしい、と思いながら…泣いた。
  • これがほんとの草食系男子…!!
  • 恋愛小説やりつつ野草を採って食べるって新鮮な組み合わせだ……夜中に読むとお腹が減ります。

川端康成「掌の小説」

植物図鑑の中で、この本の「化粧の天使達」という作品の一節が引用されています。

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有川浩「キケン」

「植物図鑑」に続き、第2回ブクログ大賞の小説部門で大賞を受賞。

受賞コメント»

中高生におすすめの本 有川浩『フリーター、家を買う。』

2010年10月、二宮和也主演でドラマ化。 母親が重度のうつ病になったのをきっかけにフリーターの主人公が一念発起。家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。

[DVD]フリーター、家を買う。

原作ファンにも高評価だった嵐の二宮和也主演のドラマのDVD BOX.

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ブクログスタッフおすすめ本 有川浩『県庁おもてなし課』

有川浩さんが実際に地元・高知県の観光大使になった経験を活かして生まれた小説。恋愛小説としても、ビジネス書としても楽しめる一冊です。

[DVD]県庁の星

県庁つながり。織田裕二が演じる県庁職員が研修先のスーパーで奮闘する映画。

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ブクログユーザーがご本人に質問!有川浩さんQ&A

有川浩さんに質問!

『シアター!』を読んで演劇鑑賞に興味を持ちました。有川さんが、読書をきっかけにして興味を持ったものがあれば教えて下さい!(質問者 : ricsさん)

 それこそ「お話を書くこと」になります。小さい頃、絵本を読むたび「自分もお話が書きたい」とクレヨンを持つような子供でした。

登場人物の名前はどうやって決めるのですか? 『海の底』の機動隊員さんの名前って関西の地名が多いですよね。私の住む町には機動隊があります。その名前もばっちり登場していて嬉しかったです。(質問者 : aya)

 ご指摘のとおり、モブの多いときは地図で地名をさらったりします。知らない土地で路線図を見るときも自然と人名としてカッコイイ響きの地名を探してしまいます。
 苗字についてはいろんな苗字を集めているサイトも見ます。名前のほうはベタですが名付け事典。今どきの名前だけでなく古風な名前もほしいので、古書店で昔の名付け事典を探すこともあります。昭和の頃の名付け事典がほしいです。他、仕事で頂戴した名刺なども参考にすることがあります。

原稿を書くのに、つまることはありますか?そのときにはどんなことをして、しのぎますか?(質問者 : あき@みらくる)

 寝るなり本を読むなりDVDを観るなり誰かと電話するなり、執筆から一度完全に離れます。集中が途切れたときに無理に作業にかじりついても時間の無駄になるだけのことが多いです。一回離れて、疲れた脳に空気を入れることが大切だと思います。

有川さんの作品にいつも胸をきゅんきゅんさせられていますが、登場人物がみんな一生懸命生きている姿も好きです。有川さんは日常生活で落ち込んだ時、どうやって気分を落ち着かせ、気持ちを立て直しますか?(質問者 : kasumi-sou)

 とにかく人と話します。悩みを聞いてもらったり愚痴をこぼしたり。よくない状態を一人で抱えていてもなかなか好転しませんが、誰かと話すと意外とあっさり気分が切り替わったりします。ストレスで抑圧された状態を他人と話すことで解放しているのかなと思います。もちろん、人から持ち込まれた相談や愚痴も全力で聞きます。世の中持ちつ持たれつです。

有川さんの作品には魅力的な登場人物がたくさん出てきますが、その中で、誰かに1日だけなれるとしたら誰になりたいですか?(質問者 : 愛結)

 はっちゃけたところでは『キケン』の上野。キケンな遊びを可能な限り試します。
 なごみ系では『植物図鑑』のイツキ。ただし春先〜初夏限定。奴らの住んでいる場所は私の夢のフィールドなので狩り三昧です。

『フリーター、家を買う。』、『シアター!』など、有川さんの作品に出てくる「家族」のエピソードってとても郷愁感をくすぐったり胸が痛くなったりするのですが、有川さんにとって家族とは何ですか?(質問者 : m1c0x)

 ごく当たり前のことだと思いますが、好きなところもあれば嫌いなところもあります。しかし家族は一生家族です。

小説、マンガ、映画など、最近いいなと思った作品を教えてください。(質問者 : spiro)

 では直近で読んだ本から『偉大なる、しゅららぼん』(万城目学)。忙しい時期に一気読みしてしまいました。悔しいことに毎回とても気になる作家さんです。次はどんなホラを繰り出してくるのかワクワクしますし、気の向くままに吹きっぱなしたホラにあれだけの強度があるのは異常。天才というのはこういう人のことを言うんだろうなぁと思います。

私は中学生の時の朝読の時間がきっかけでよく本を読むようになり、近くに図書館ができてからはいろんなジャンルの本を読むようになりました。有川先生はどのような本を読まれている(読まれていた)のでしょう。また、感銘を受けた本などがあれば教えて下さい。(質問者 : ぢょせふ/抹茶 @ 有川)

 『誰もしらない小さな国』(佐藤さとる)に始まる『コロボックル物語』シリーズは強烈な幼児体験でした。「もっともらしいホラ」のルーツはここに行き着くと思います。
同じく小人ものとしては『はなはなみんみ物語』(わたりむつこ)シリーズも。『コロボックル』も『はなはなみんみ』もほのかな恋物語が実においしい作品なので、ラブコメ好きのルーツもここにたどり着くかも。
お約束で『赤毛のアン』や『大きな森の小さな家』シリーズも。
また、作家になることを初めて意識したのは新井素子さんの作品を読んだときです(『星へ行く船』シリーズ)。 向田邦子さんの随筆は文庫がボロボロになるほど読み込みました。小説のほうは子供心には少し苦かったのですが、大人になると味わい深くなりました。
以上、子供の頃に魂に焼き付けられた本でした。

『図書館戦争』について

これから阪急電車を観に行きます!図書館戦争に登場する立川のカモミールティーを出すお店は本当にあるのでしょうか?差し支えなければ、どこのお店かも教えてください。(質問者 : yamagiwa)

 必ず実在の場所を書いているわけではないので……これに関しても特にモデルとなった店はありません。 皆さんで「ここかな」というお店をいろいろ探してみてください。

図書館戦争の堂上と笠原の名前の由来について教えてください。 また他に柴崎、砂川など舞台の立川付近の地名が使われているようですが、偶然なのでしょうか?(質問者 : sasa0207)

 すみません、今初めて知りました。

『県庁おもてなし課』について

有川さんも県庁おもてなし課の大使?をされていたと聞いたのですが、『県庁おもてなし課』のエピソードで本当の話はあるのですか?

 初期のグダグダ感はかなりそのままです。

有川さんおすすめの高知県の観光スポットはどこですか?(質問者 : ponyko)

 本に取り上げたところはすべて面白いと思ったところです。後は作中にも登場した『高知県公式ガイドブック』などをご参照ください。

県庁おもてなし課で、ここは注目して欲しい!というポイントを教えてください。(質問者 : ブクログスタッフ)

 むしろ読者さん側から「私はここに注目した!」というポイントを教えていただけると嬉しいです。

実際にこんなことやったら町おこしになるんじゃない?というアイデアはありますか?

 町おこしというものはその土地を知ること・楽しむことから始まると思いますので、漠然と「町おこしのアイデアを」と言われると困ってしまいます。漠然としたアイデアはどこの土地でも漠然と適用できるアイデアでしかないので、土地の魅力は掘り起こせないと思います。既存のアイデアで優秀なものもたくさんありますが、土地の人がそれぞれ工夫を加えてこそだと思います。

ブクログユーザーへ一言お願い致します!!

 これからも活字で遊んでいきますので、気が向いたときに付き合ってやってください。

有川浩 (ありかわひろ)

1972年6月9日高知県生まれ。2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞した後、一般文芸にも活動の場を広げ、2006年に発売された『図書館戦争』で注目を集める。『図書館戦争』は、「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得、2007年度本屋大賞で第5位、さらに2008年『図書館戦争』シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。2010年には『植物図鑑』が第1回ブクログ大賞小説部門大賞を受賞、同年本屋大賞第 8位を獲得。2011年には『キケン』が第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞し、本屋大賞9位にも選ばれている。
ブクログでは、これからも様々な本や作家さんを特集していきたいと思います。
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