ブクログスタッフのおすすめポイント

あの「銀河鉄道の夜」のスタッフが再結集

1985年に劇場公開され口コミで大ヒットとなった、名作アニメーション映画『銀河鉄道の夜』。そのDVDはブクログでも多くの人が本棚に登録し、いまだ愛されています。 7月7日(土)から公開の映画『グスコーブドリの伝記』は、『銀河鉄道の夜』を手掛けた、日本のアニメーション界を代表する映像作家・杉井ギサブロー監督、キャラクター原案のますむら・ひろしが再集結し、5年の歳月をかけて製作されたアニメーション映画です。 そして、音楽は、TV「情熱大陸」のテーマなどで知られる、今回初めて映画音楽を手がけた日本を代表するバンドネオン奏者・小松亮太が担当。主題歌は小田和正が歌う名曲「生まれ来る子供たちのために」を起用し、この作品を味わい深いものにしています。 アニメーション映画『銀河鉄道の夜』を見た方には是非見ていただきたい作品です。

DVD「銀河鉄道の夜」

©朝日新聞社、テレビ朝日、角川映画

すべての世代に見てもらいたい、「家族や自然の大切さ」を語り合ってほしい作品です。

『グスコ-ブドリの伝記』は、宮沢賢治が1932年に発表した童話です。宮沢賢治はその37年の短い生涯のなかで、故郷の岩手で大きな地震や冷害に見舞われました。そんな境遇でも、自分の理想郷を<イーハトーヴ>と、「岩手」をエスペラント語風にして名付け、故郷の岩手を愛する姿勢が感じられます。 主人公の少年ブドリが「誰かのために何かをしてあげたい」と願い、生きてゆく姿は胸を打ちます。 宮沢賢治の原作ファンだけでなく、多くの人にこの映画を見てもらい、家族や自然の大切さを考えて欲しい、そう強く思える作品です。

「グスコーブドリの伝記」イメージカット

映画「グスコーブドリの伝記」 杉井ギサブロー監督 インタビュー

Q1.銀河鉄道の夜から27年、また宮沢賢治作品に取り組まれた理由を教えてください。

宮沢賢治の作品は大きく分けて2つの作風があると思うんですよ。
『グスコーブドリの伝記』や『銀河鉄道の夜』のような無国籍で舞台がどこの国かわからない童話。そして『風の又三郎』を代表とする東北がイメージの童話の2つが。
宮沢賢治はこの2つの作風で、それぞれ伝えたいことをはっきりと分けていて、無国籍の童話は世界中の誰が読んでも当てはまる、広く普遍的なテーマで書かれていると僕は解釈しています。 それで、僕はアニメーションの映画監督として、普遍的で地域性を越えた舞台やテーマの作品を映像化していきたいと思い、27年前に第一作目として『銀河鉄道の夜』を選び、そして第二弾として『グスコーブドリの伝記』を選びました。
『グスコーブドリの伝記』の映像化を選んだもう1つの理由としては、この作品を企画したとき、今でも問題になっている環境問題など、自然と人間、科学の関係が問題になっていました。この『グスコーブドリの伝記』でも、話の中で同じような自然と人間の問題が起きています。そういうテーマや背景であるため、この作品を選びました。

Q2.杉井監督が考える宮沢賢治、そして『グスコーブドリの伝記』

宮沢賢治作品は、一般的に「難しい」という評価があります。そして、宮沢賢治自身は偉人という評価や神格化されている部分があると思うんです。でも、映画を作るために色々な作品や伝記を読んだり、色々と調べたりしたのですが、宮沢賢治自身はいろいろな側面を持っています。
あまり知られていないのですが、ひょうきんでユーモアがあり、子供にも優しい。学校の先生をやっていた時期は学生にも人気のあったおもしろい先生だったと思うんですよ。 僕は、そうした作家としての宮沢賢治像をアニメーション作品を通じて描いてみたいなって思っているんですよ。

Q3.最後に、ブクログユーザに向けてひとことお願いします

宮沢賢治の作品って、昔の作品で古い童話って思われるかもしれませんが、「今のこの時代にどう活かすか」ということを考えて読むとおもしろい作品だと思います。 ぜひ、映画『グスコーブドリの伝記』を見て自然や家族について考えたり、語りあっていただければうれしいです。

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作品紹介・予告映像

イーハトーヴ森の木樵りの息子として両親と妹と穏やかに暮らしていたグスコーブドリは、森を襲った冷害のため家族を失くし、一人ぼっちになってしまいます。 それでもブドリは、生きるために精一杯働き、やがて成長し火山局に勤めるようになります。 そこに再び大きな冷害が襲ってきました。あの悲劇を繰り返さないため、ブドリは決心します。 両親が自分を生かしてくれ、工場長が自分を鍛えてくれ、火山局の博士が自分に教えてくれたこと、それは何のためだったのか。そしてブドリはただ1人火山局に出かけていきます。みんなのために、自分ができることを行いに―。

東北岩手が生んだ偉人宮澤賢治はその37年という短い人生に三陸沖地震を含む大きな地震や大規模な冷害に何度も見舞われています。 それほどの厳しい環境でも、賢治は東北岩手を愛し、作品中に登場する架空の理想郷に「岩手」をエスペラント語風にした<イーハトーヴ>と名付けています。 冷害にみまわれた東北の森を舞台に、厳しい自然と向き合う青年ブドリ。困難に直面した故郷と大切な人たちを守るため、ブドリはある決断をします―。 原作発表から80年、「世界がどうあろうと、私たちはどう生きるべきなのか?」を強く指し示したブドリの物語は見るものすべてに限りない勇気と感動を与えてくれます。

原作宮沢賢治
監督・脚本杉井ギサブロー
主題歌小田和正「生まれ来る子供たちのために」(アリオラジャパン)
監修:天沢退二郎 / 中田節也
キャラクター原案ますむら・ひろし
アニメーション監督前田庸生
総作画監督江口摩吏介
音楽小松亮太
制作手塚プロダクション
配給ワーナー・ブラザース映画
製作「グスコーブドリの伝記」製作委員会