『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』発売記念 キュレーターから見る『キュレーションの時代』特集

今後の情報社会にとって最も注目を集めているキーワード「キュレーション」とはいったいどのようなものなのか。
ITジャーナリスト佐々木俊尚の新刊を「キュレーションの時代」を先取りした4つのウェブサービスの運営者の方々に、読んでいただきました。

キュレーションとは?

キュレーション【curation】とは、無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、
そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。ー 本文より

著者 佐々木俊尚さんからのメッセージ

この「キュレーション」という言葉がいま、インターネットの世界を席巻しようとしています。情報の膨大なノイズの海の中から、どうやってキラリと光るあなただけに重要な情報を取り出すのか。劣化したマスメディアでなければ、無味乾燥な検索エンジンのアルゴリズムでもない。情報と人を結びつけ、そこに人と人のつながりをも生み出す新たな概念「キュレーション」。この本では、芸術や音楽、茶道、陶器、歴史などさまざまな文化的エピソードを紹介しながら、21世紀の新たな情報共有圏の世界を明らかにしていきます。

「キュレーションの時代」を先取りしたサービスを運営する4人の方に読んでいただきました

togetter(トゥギャッター)

http://togetter.com
Twitterでの話題をユーザーが編集・共有するサービス。
代表取締役社長 吉田俊明
twitter : @yositosi

引用した箇所

"アートという大きなプラットフォームの上で、表現とキュレーションが分離し、それぞれモジュール化して存在している"

引用した理由

アートの構成要素としてキュレーションがあり、それによってアートが成立しているという構図が明確になっている。私が運用するトゥギャッターというウェブサービスもまさに、コンテキストを組み上げて行く機能がモジュールとして提供されていている。漠然と抱いていた私の感覚がしっかりと明文化されているのだ。

感想

キュレーションというキーワードがネットで盛り上がりつつある。しかし、日本人に馴染みのない言葉ゆえかその意味するところは不明確だ。その点で佐々木さんの視点は明確だ。歴史上の物語を引用し、コンテンツが第三者の手によって価値を与えられる様が語られていく。芸術に根ざしたキュレーションという行為は、善し悪しとは違う、その人独自の価値をコンテンツに与える。それすら表現行為とも言えるものなのだ。

http://www.naver.jp/
キュレーションプラットフォームを目指した「探しあう検索」サービス。
代表取締役社長 森川亮
twitter : @moriakit

引用した箇所

"消費が本来生息していたなつかしい場所、シンプルな「機能消費」の古巣へ。そして新たな「つながり消費」の世界へ。マスメディアの衰退とともに記号消費は消滅していき、二十一世紀は「機能消費」と「つながり消費」に二分された新しい世界が幕を開けるのです。"

引用した理由

キュレーションが必要とされる意義はこれに尽きる。情報量の増大およびそれに伴う消費構造の分散・多様化時代においては、同じ価値観による部分最適化は、図らずも本書で言う「タコツボ化」に陥らざるを得ない。人はパンのみにて生きるにあらず、人とのつながりを通じて新たな視座、気づきを得る。これは私たちが「NAVERまとめ」で実現しようとしていることそのものである。

感想

時代は「検索」から「キュレーション」へ。来る時代の変化をいち早く捉えた今回の著書はまさに著者の渾身の一作である。 ある画家の物語、あるマーケティングの事例、音楽・映画産業の衰退、Foursquare、一期一会、等々。一見関連がないように思われる様々なエピソードから、来る「キュレーション」という大きな潮流を理解するための手がかりを、ひとつひとつ明らかにしていく。著者の豊富な見識を改めて感じさせられた。国内では我々NAVERもその重要性を提起させていただいている「キュレーション」に係わる議論は、本書を共通言語としながら、一層の広がりをみせるだろう。

creators bank(クリエイターズバンク)

http://www.creatorsbank.com/
クリエイターのためのポータルサイト。会員登録数は1万人以上。
代表取締役社長 堤田和久
twitter : @CaZ_xxx

引用した箇所

"結局は、人なんだよ。結局は、音なんだよ。僕は、少なくともそう思う"

引用した理由

HMV渋谷店の閉店に関する見方として独立系音楽レーベルを主宰されている加藤孝朗さんのブログを引用されたこの箇所では、簡潔なコメントの中に情報革命後の消費者・ユーザーにおける本当に必要な情報の在り方について改めて重要性を感じさせられる一節でした。

感想

キュレーションというフレーズから“アート”と直結させるのは僕だけではないはず。
しかしここで描かれているのはジャンルや歴史を超えたキュレーター達の活躍と重要性、 そしてそこから私達メディアやユーザーが過去と現在を認識し、これからを探るための情報流通における不可欠なビジョンである。
限られた与える人と、大勢の与えられる人が当たり前に存在していた情報社会は終わった。 これからの時代にキーパーソンを担う皆さんにぜひ読んで欲しい一冊です。

nanapi(ナナピ)

http://nanapi.jp/
ユーザー投稿型の「みんなで作る暮らしのレシピ」サービス。
代表取締役社長 古川健介
twitter : @kensuu

引用した箇所

「事実の真贋をみきわめること」は難しいけれども、それにくらべれば「人の信頼度をみきわめること」の方ははるかに容易であるということなのです。

引用した理由

キュレーションの本質をシンプルに言い表した言葉だと思います。

感想

コンテンツの時代が終わりをつげようとしています。
単体のコンテンツだけの信頼度で保っていた情報産業が今後、コンテキストも必要となっていくことになります。
この本は、すぐ先にきているキュレーションの時代をを理解するのに適した一冊です。

紙の書籍と電子版が同時発売!

『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる

ちくま新書 / 900円(税込)

『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる

webで閲覧・ePub・PDFファイル形式 / 700円(税込) パブーで購入した書籍を読む方法»
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佐々木俊尚のパブーで販売している電子書籍

『佐々木俊尚流「ITニュースの読み方」』

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『佐々木俊尚のネット未来地図レポート 目次』

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佐々木俊尚 (ささきとしなお)

ITジャーナリスト。兵庫県西脇市生まれ。
月刊アスキー編集部デスクを経てフリージャーナリストとして主にIT分野を取材している。
twitter : @sasakitoshinao
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