献本企画「あられもない祈り」島本理生

<あなた>と<私>・・・名前すら必要としない二人の、密室のような恋。
現役高校生でデビュー、「ナラタージュ」で大ヒットを遂げた島本理生がついに初めての本格的な恋愛小説に挑む!

今回は、この島本理生さんの新刊「あられもない祈り」を、一般的には発売前に本屋さんなどにしか配られない、
ゲラ本(Band Proof)という形で、特別にブクログユーザーさんの中から、抽選で選ばれた30名の方に先行して読んでいただきました。

最終更新日:2010年5月21日

島本理生コメント

『あられもない祈り』に寄せて

『あられもない祈り』は、「私」と「あなた」の物語です。
名前すら必要としない二人の、密室のような恋愛を通して、幼い頃からずっと自分を大事にできなかった主人公が、生きるための欲望を得るまでを書きたいと思いました。

今回、初めて結婚している男性との恋愛を真っすぐに書きました。
社会的に肯定されないことを書くのは、やはり難しかったです。
それでも恋してしまう気持ちや、時として、ずるさと切実な愛情が同居してしまうのも人間だということを、擁護するのではなく、できるだけ赤裸々に、書くことができたらと思いました。
書いている最中、体の内側から言葉が引きずりだされるような、どろっとした熱い感覚がまとわりついていました。
読んで下さった方に、その熱が伝われば幸いです。

島本 理生

著名人からの推薦文

  • 凄まじい緊迫感と密度に圧倒され息をのんだ。
    島本さんの地平はどこまで広がるのだろう。――山本文緒
  • 火照った躰の内側から滲み出す愛の不毛と孤独は、私を虜にした。 ――行定勲 (映画監督)
  • この小説を読むこと自体、胸をえぐられる恋愛をするのと同等だ。――西加奈子
  • 早く読んでほしい。でないと、この物語はそれ自体が持つ熱に溶けてしまいそうだから。――青山七恵

ブクログユーザーのレビュー・感想

  • 読者という不思議な次元の友人として声をつたえるならば。
    絶望なんてやさしい言葉で慣れた痛みにたえるような真似はやめて、幸せであること共に生きる穏やかさに「私」と「あなた」には挑んで欲しいと思う。 sasa4さんのレビュー全文»
  • 何か新しいもの、そして変化を求めた作品のように見えました。
    〈私〉と〈あなた〉。誰もがふたりのことを名前では呼ばず、名前は最後までついに明らかにされません。そのことが、本来社会で多数の他者に囲まれているはずのふたりをより狭い空間に閉じ込め、緊密な関係として描き出します。 shiba_motoさんのレビュー全文»
  • この物語では〈私〉にも〈あなた〉にも存在感がない。それに、言い訳のように過去のエピソードが露骨に語られるのにも興ざめしてしまって、最後まで誰にも感情移入できませんでした。  ねこ姫さんのレビュー全文»
  • 物語が「私」と「あなた」で語られることでより密やかに凝縮された世界が出来上がっていて、読んでいてグググッと物語に吸い込まれるような、それでいて見えないバリアで弾き出されているような、そんな気分になりました。 ましゅうさんのレビュー全文»
  • 文章はすらすら読めるけども、心には残らない。ドキドキ感やハラハラ感がほしかった。 kurochikorinngoさんのレビュー全文»
  • 欲を言えば不幸な描写が強すぎて「生きる欲望」を描いた部分が薄いかなと思います。ぶっちゃけあんまりエロくないw タイトルから受ける印象ではもっと官能的な作品かと思っていました。もっと冒険しても良かったんじゃないかな。 pocoloco111さんのレビュー全文»
  • 自分が男だから理解できないのか? 女性だったら共感できるのか? もしかしたら自分に読解力がないだけなのか? chorockieさんのレビュー全文»
  • 意図的なのかわからないけど、<あなた>がどういう人物なのかが最後まで掴めなかった。
    男の僕から見ると、そんなに魅力的な男だとは思えなかったけど、女性の方はどう思うんだろう。 spiroさんのレビュー全文»
  • 静かな文章は好きなので、序盤はお気に入りです。もう少し別のエンディングがよかったなあ。
    好みは分かれると思います。物語に起伏を求める人には不向きです。男性にも受けないような気がします。 muchiさんのレビュー全文»
  • 「私」にしろ「あなた」にしろ人が奥深くに隠して出さないようにしている感情が出てきて、読んでいてあまり心地よくはありませんでした。
    読むにはちょっと気合を入れないといけないかもしれません。 寿 雪華さんのレビュー全文»
  • 最近は「不倫にしては可愛らしい恋愛の小説」を読むことが何度かあったので、暗雲立ち込めているこの本はよかった。けっして明るくないけどだがそれがいい。 ches_mさんのレビュー全文»
  • 二十歳そこそこの私は、人を好きになることは、とても幸せなことで、心が満たされることだと思っていた。
    しかし、いくら好きになっても、心が満たされるどころか寂しさだけが募る恋もあるのだと痛感した。
     にのこさんのレビュー全文»
  • 「私だけを見て。いつもここに帰ってきて。私だけを選んで愛して。子供のように泣きながら、あなたに素直に言えば良かった。」
    これはあなたへと同時に、母へのメッセージなのかもしれない。 claspさんのレビュー全文»
  • 私目線で書かれ始め、とても自然で全体的にも文体が美しく、特に桜の描写に感動いたしました。
    途中より、周りの名前が多々出てくるのと呼ばれるシーンになると不自然さが否めない。勿体ない。 みとっちさんのレビュー全文»
  • とても女性らしい感覚を持った人ならこの本を読んで熱を感じられるのだろうか。残念ながら自分には響きませんでした。 れっささんのレビュー全文»
  • 場面に深い意味を持たせて欲しかった。ホイホイ終わるので意味を見出しにくい。もっと場面を少なくし、それぞれにつっこんで書き込んで欲しいかった。 snafkinさんのレビュー全文»
  • 「あなた」と「私」の話。覚悟はあるが捨てられない「あなた」との静かで、大胆で、けど秘密のような恋を通し「私」はどんどん「私」になっていく。 calpeaceさんのレビュー全文»
  • 全体的にあやふやな印象。伝えたいと思うことが何なのか最後までわからなかった。表現の仕方や書き方の癖はあまり好きではなかった。
    他人の芯に触れたような気分になりたい人は読んでみても良いのではないだろうか。 赤詰草さんのレビュー全文»
  • 「あなた」はとても勝手だけど「わたし」をとても大切にしていた。
    そんな「あなた」がだんだん弱ってきて、「わたし」はだんだん力強く前向きになっていく。読んでいくうちに胸の内がジンジンきた。 aqemiさんのレビュー全文»
  • 島本理生さんのご本は『ナラタージュ』で衝撃を受けて、初期作品を読み漁り、文章の静謐な感じが好きだったのですが、近年主にテーマにされている過去のトラウマや親との確執、苦しい恋愛が、自分にとっては重たく感じて、離れていました。
    久しぶりに読んでみて・・・やはり重い・・・だけど気になる・・・。今後もこのテーマを島本さんが年齢と共にどう表現されるのか、気になります。 tehanu_earthseaさんのレビュー全文»
  • この二人が幸せになる道があるのかはわからないけど、『わたし』が幸せになれたらいいなぁと思った。 茜さんのレビュー全文»
  • 中盤で主人公の「私が、いつかの日に置き去りにされたあなたを、迎えに行くことはできますか」このセリフが僕のココロを捉えた。そこからは、ほぼいっきに読み終えた。後半はもう胸を締めつけられる様な、えぐられるよう感覚だった。 bonebo3さんのレビュー全文»
  • 「私」が抱えている過去も現在も、理解するのが難しい世界のように感じられながらも、「あなた」への気持ちだけは理解できた気がして、不思議です。
    これは恋愛小説だろうか、と思うような展開だったはずなのに、「あなた」が触れた熱をいつまでも思い出せるのは、恋でしかないと思わせる。
     Rinさんのレビュー全文»
  • 主人公の「私」と自分自身に上手く重ね合わせて感情移入をして読むことが出来なかったからかもしれませんが、消化仕切れなかった感があります。
    恋愛の形はそれこそカップルの数だけあり、私が知らない世界がここにもまたひとつある、ということなんでしょうね。 miaさんのレビュー全文»
  • 今作はその居心地の良さに加えて、不思議な感覚が芽生えました。というのも、始終、回想しているかのような、 静けさを感じる文体なのに、行間からはあふれんばかりの情熱が感じられました。まとわりつくような熱気とひややかな静謐。
    彼女の小説家としての挑戦を見届けたい方にとっては必読の一冊になるでしょう。  baronpoupeeさんのレビュー全文»
  • 主人公と彼の名前は一切でてきません。名前がないという不思議な空間に引き寄せられました。
    彼の発する言葉がとても丁寧で切なさを増します。言葉に出来ない空間に浸りました。 よぉさんのレビュー全文»
  • この物語は、私には、恋愛小説というよりも、主人公が自分自身を自分の手元に引き戻す再生の物語のように感じられました。 fumikeさんのレビュー全文»
  • 理屈ではない部分が辛い。報われることがすべてではないけれど、それでも何かを手に入れたい。そう思うのが人間で。ため息があふれる。
    でも、それでも恋愛したいと思った本。 mh xxx ykさんのレビュー全文»
  • どうしようもない恋愛・・・恋愛の奥深さを感じました。 眞哉さんのレビュー全文»
  • 寄せては返す波のように無限に続くいたたまれなさ。たとえ肯定されていない関係でも、好きと涙を流してくれる相手だと報われるかもしれない。いつかは。。。 chicaさんのレビュー全文»

「あられもない祈り」のレビュー・口コミ

至上の恋愛小説。島本理生の新境地!

あられもない祈り

  • 著者:島本理生
  • 出版社:河出書房新社
  • 発売日:2010年5月23日(購入はこちら»

レビューを読む»

メディア掲載情報

  • 5月6日 『ダ・ヴィンチ 6月号』 著者インタビュー
  • 5月15日 TBS「王様のブランチ」特集
  • 5月25日 毎日新聞 夕刊『読書日和』著者インタビュー

「あられもない祈り」が好きな人はこんな本も読んでいます

娚の一生
マンガ「娚の一生」西 炯子

島本理生さんもおすすめの一作。東京の大手電機会社に勤める堂薗(どうぞの)つぐみは、長期休暇を田舎の祖母の家で過ごしていた。そんなある日、入院中の祖母が亡くなってしまう。つぐみは、そのまま祖母の家でしばらく暮らすことに決めるが、離れの鍵を持っているという謎の男が現れて…!?  晴耕雨読的女一匹人生物語!!第1回ブクログ大賞ノミネート作品。

レビューを読む»  試し読み»
水曜の朝、午前三時
「水曜の朝、午前三時」蓮見 圭一

45歳の若さで逝った翻訳家で詩人の四条直美が、娘のために遺した4巻のテープ。そこに語られていたのは、大阪万博のホステスとして働いていた23歳の直美と、外交官として将来を嘱望される理想の恋人・臼井礼との燃えるような恋物語だった。「もし、あのとき、あの人との人生を選んでいたら...」。失われたものはあまりにも大きい。愛のせつなさと歓びが心にしみるラブストーリー。

レビューを読む»
100回泣くこと
「100回泣くこと」中村 航

実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだった。四年近く乗っていなかったバイク。彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げる。彼女は、一年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。愛犬も一命を取り留めた。ブックの回復→バイク修理→プロポーズ。幸せの連続線はどこまでも続くんだ、と思っていた。ずっとずっと続くんだと思っていたー。

レビューを読む»
号泣する準備はできていた
「号泣する準備はできていた」江國 香織

私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだからー。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる...。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集

レビューを読む»
愛人(ラマン)
「愛人(ラマン)」マルグリット デュラス

18歳でわたしは年老いたー。あの青年と出会ったのは、靄にけむる暑い光のなか、メコン河の渡し船のうえだった。すべてが、死ぬほどの欲情と悦楽の物語が、そのときからはじまった…。仏領インドシナを舞台に、15歳のときの、金持の中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。センセーションをまきおこし、フランスで150万部のベストセラー。J・J・アノー監督による映画化。

レビューを読む»
ひとり日和
「ひとり日和」青山七恵

20歳の知寿が居候することになったのは、71歳の吟子さんの家。奇妙な同居生活の中、知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋にあてられ、成長していく。選考委員絶賛の第136回芥川賞受賞作!

レビューを読む»

ブクログでは、これからも様々な本を特集していきたいと思います。
今回の特集への感想や、この作家、マンガを特集してほしい!こんな企画に参加したい!というものがありましたら、
ぜひこちらのハッシュタグ(#booklog_special)でつぶやいて頂く、もしくは、こちらのお知らせブログにコメントしてください。 

献本のおしらせは、お知らせブログや公式Twitterログピで行いますので、ぜひチェックしていてくださいね。

新規登録&ブクログの詳細はこちら

島本理生 (しまもとりお)

  • 1983年 東京都板橋区生まれ
  • 2001年 都立新宿山吹高校に在学中、『シルエット』で第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー
  • 2003年 『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞受賞
  • 2006年 『ナラタージュ』が「この恋愛小説がすごい!2006年版」(宝島社)にて、1位に選ばれる。立教大学文学部中退

ブクログ特集一覧

特集・インタビュー
取材・コラム
おすすめ本
投票・ランキング