「政策課税思想に通底するのは、次のような資本主義観である。所得と富の格差が小さく、完全雇用が実現し、独占・寡占はコントロールされて適切な競争環境が維持され、金融は実物経済を翻弄するのではなく、むしろその僕や黒衣となって支える側に回り、そしてきれいな空気や水が享受できる環境の下で、実物経済の適度な成長が実現する経済社会こそが望ましい。そのためにはアダム・スミス流の『レッセ・フェール(自由放任)』ではなく、市場と国家が適切な形で組み合わされた混合経済へと移行する必要がある。そして経済学は、十九世紀に全盛をきわめた『自然の体系』から『人為の体系』へと移行すべきである…。」p.275-276
グローバルな取引が主流となった現代において、金融所得に対する過重な課税は行うことが難しいため、所得税は軒並み低く、消費税など逆進性の高い税への課税によって対応する潮流があると筆者は述べている。
日本において、さらには、日本の地方において、どのような理念に沿って課税を考え、実施していくかを考える上で参考になりました。
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- 感想投稿日 : 2017年1月4日
- 読了日 : 2017年1月4日
- 本棚登録日 : 2017年1月4日
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