学生時代に『大転換』を読んで以来のこの学者の本を読了。
おそらく訳者の力量不足(※自らの単純な力量不足を認識したうえで敢えて指摘するが、小難しく訳することと専門の高度性とは同義ではない。将来にわたり社会科学=芳醇な学問という地位を確保するつもりであるなら、いかに平易でかつ含蓄ある言葉・用語で自らの考えを表明するかを社会科学者と呼ばれる人たちは真剣に考えた方が良いと思う。同書は1970年代というまだ「恵まれた」環境下での訳文であり、この手の「悪文」でも許されたであろうが、良い悪いは別にして現在では通用しない。昨今の物理・宇宙学などの積極的な啓蒙活動を見習って欲しい、そうでないと研究活動に要する資金確保含めて将来への展望が開けないだろう。)と構成の難に起因するのであろうが、論点がやや散漫になっている感あり。
ただ各論は興味深く、個人的には『ファシズムの本質』が一番考えさせられた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年8月24日
- 読了日 : 2012年8月24日
- 本棚登録日 : 2012年8月24日
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