「校閲ガール」スピンオフ。今回は悦子の周辺の人々を主人公にした短編集。
校閲部先輩の米岡以外は女性誌編集の森尾、文芸編集部の貝塚・藤岩、そして校閲部部長の茸原までが文芸編集時代のエピソードのため、校閲というより編集の裏話が盛り沢山で、とても興味深く読んだ。
勢いがとにかくすさまじかった1作目に比べると、「アラモード」らしく色々な味が楽しめて、個人的にはこの2作目の方が好みである。それぞれのキャラクターが深く掘り下げられて、特に、チャラくて要領いいだけな面が際立っていた貝塚の章、1作目の印象が残っていない茸原(ごめんなさい、1作目読んでからかなり時間が経っていて)の章は読みごたえあり。茸原の章は、意外なほど濃密な内容で、宮木さんの他の作品を彷彿とさせる。「校閲ガール」をカラッとしたコメディと捉えていたら、まさかこんなラブものを放り込んでくるとは…!そして、宮木作品の「あの人」がカメオ出演。
宮木作品の小ネタもまた大好きで、本作でももじりが大変お上手。個人的には「冬虫夏草社」が好きである。
多少は誇張している部分もあるだろうけど、現実はともかく、エンタメとして十分楽しめる作品。パワーをもらえます!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の作家
- 感想投稿日 : 2017年5月8日
- 読了日 : 2017年5月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月28日
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