メイプルマフィンの本棚»
たなぞうから引っ越してきました。 甘い本、軽い本、固い本、ユルい本、渋い本、色々です。
レビュー by メイプルマフィンさん
幻想的な色遣いの表紙絵に惹かれた。この本の内容にぴったりだなと思った。隅に描かれているちょっと不気味なかわいらしさの人形が、物語を象徴しているようで。
「人形」がテーマの短編集、好きな人に対する愛情は人形を通し、いびつに形を変えていく。怖くもあり、美しくもあり、哀しくもあり。歪んでいるけど、純粋。一歩間違えばグロテスクに描かれてしまいそうな展開でも、すんなり受け入れられたのは、豊島さんの巧さゆえだ。若いからこその屈折した心情、もう若いとは言えない自分でも、あの頃を思い出し、自分の無意識の「影」の部分を重ねてしまう。豊島さんの描くほろ苦さはクセになる。
レビュー登録日 : 2010年10月10日
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