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川端康成・三島由紀夫往復書簡 (新潮文庫)についてのHarryさんのレビュー


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レビュー by Harryさん

その他   読み終わった  読了日 : 2010年01月19日  5

手紙というのは、それが儀礼以上の個人的なものであればあるほど、その人の輪郭がより鮮明に見えてくる。
この往復書簡では、どちらかというと、年齢的にも文壇のなかでも若輩であった三島の、必死さ、生真面目さ、そして素直さが印象に残る。
川端夫妻が入院する際に、何を入院道具として持っていったらいいか列挙した手紙などは、驚くほど細かくまた実際的な内容で、三島の性格が感じ取れる個所である。
川端は、きっと目を細めて微笑みながら、彼の便りを読んでいただろうと想像する。

人間には、全幅の信頼を置いて、素のままで飛び込んでいける相手が必要だ。
三島にとって川端康成という人は、そういう存在としてあり続けていたのだろうと思う。
川端のノーベル賞受賞後、関係がぎくしゃくしてしまったと言われているが、それでも最期のほうの手紙を読めば、三島の敬愛はやっぱり変わらなかったであろうと思わざるを得ない。

手紙を書かなくなってしまった昨今だが、メールを書くのにも参考になる大作家どうしのやり取りである。 登録日 : 2010年01月19日 16:06:46

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