ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2014年1月30日発売)
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読む前から「マイルドヤンキー」というキーワードで、「ああ、分かった、そういう切り口は確かにある!彼らのことね!」と思って読んでみた。期待に違わず非常に良くまとめられていた。

要するにこういうカテゴリの人たち向けのマーケティング用ペルソナ分析的な本なんだけど、

・暴力的なヤンキー、族ではない(そもそもその層は残滓しかない)
・男子はEXILE、悪羅悪羅系
・地元大好き、半径5km以上行動したがらない
・地元の友だち関係が何より大事
・新しい人間関係を築くのがおっくう
・東京郊外〜地方都市部在住
・都心部まで電車で20分であっても出ようとしない
・学歴は「高くない」が、中卒〜私立大ぐらいまでバラつく
・「湘南乃風」と「西野カナ」の世界観
・イオンとラウンドワンですべてが完結する
・クルマで移動したがる、電車嫌い
・ワンボックスカーに友達と乗るのが好き
・「既知のものしかほしいと思わない」現在知っているものだけから選択する
・観光にはあまり興味が無い。行っても本当に有名なところに仲間と行ったことが大事
・PC・スマホ苦手、検索したがらない
・選択肢が多いことは苦痛でしかない
・知的好奇心はそれほどない

なんかね、そーそー、って感じで。

2点すごく釈然としないものがあって、一点はそもそもこのクラスタに対する釈然としなさなんだけど、
もう一点は、切り口の問題。

まず切り口の問題なんだけど、このクラスタ(というには巨大なんだけど)、「EXILE、悪羅悪羅系」という属性を外しちゃえばもっと広くターゲット層が存在するだろうこと。ユニクロ/しまむら/イオンファッションと通販で買うEXILE/悪羅悪羅系は、同じカードの表裏でしかないだろうから。ファッションとか車のデコレーションみたいな、デティールが意味がある者はちょっと違うかもしれないし、そこは限定的にカテゴライズしていった方がエッジが立つのはわかるけど、もう少し広いゾーンの特性を、限定したペルソナで説明しているように思えるのが気になる。

「ショッピングモールから考える」あたりの切り口を交えた再整理が欲しい感じはするんだよな。

もう一点はやっぱこのクラスタに対する釈然としなさだよね。「地元の友達」概念ほど私が個人的に理解しにくいものはないし、知的好奇心の薄さと、「既知のものしか求めない」感じ、慣れてきたような気もするけどやっぱりこうして文章にされると、本当にそれはそう言い切って終わりにしてしまっていいんですかと、どーしてもモニョモニョしたものを感じてしまう。

まあ、2014年現在、興味深い本では合った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年2月14日
読了日 : 2014年2月14日
本棚登録日 : 2014年2月14日

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