これを少女漫画で描いたこと(それも二十年近くも前に!)にまず驚いた。
第3次世界大戦勃発、大規模核爆発によって不毛の大地が広がり、かつての国境線は消滅、あらたに線が引かれ、領土・資源を争う日々――OZ(オズ)と呼ばれる秘密科学組織の存在を探し求める若き軍曹と天才博士少女、そしてアンドロイド。
設定はSFによく見られるけれど、脇を固めるエピソードが豊か。
ネイト・・・!
それに、最後のムトーが19に救われたことを示唆する場面は、ぐっときた。人間とアンドロイド(A.I)を隔てるものとは。
樹なつみの作品は、花咲ける青少年もそうだったけど、一般的に少女漫画で描くようなテーマではないのに、中学生でもすぐに入っていける魅力がキャラクターにある。 もっと長編でもよかった。
それにしても、夢の欠落した存在をOZと命名したことに、作者の反抗的で皮肉な優しさを感じた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年5月22日
- 読了日 : 2011年5月22日
- 本棚登録日 : 2011年5月22日
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