これだったんだ。
そう思った。
どこまで、どれほど日々のなかでとことん突き詰められるか。
見て、聞いて、かならず何かを感じているのに、うやむやに、なんとなくいやだな。これはなんかいいかもしれない。そんな程度で済ませてしまっている。
ユージンは、世間から、現代から半ば切り離した(けれど完全には離れていない)場所で、時間をかけて考えて考えた。
いそがしいから? だからここまで考えられないのだろうか。違う。そこにつぎ込むエネルギーを捻出できない集中力のなさ、真剣味の欠落。考えなければ、巻き込まれる――その不安の欠如。
空気で、雰囲気で伝える――そんな曖昧さに一石どころか巨岩を投じた一作。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
非常に考えさせられた
- 感想投稿日 : 2014年3月8日
- 読了日 : 2014年3月8日
- 本棚登録日 : 2014年3月8日
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