雪国 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2013年6月21日発売)
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本棚登録 : 1822
感想 : 113
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国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
川端康成の「雪国」です。
はじめて読んだのですが、まさかこんな大人の恋愛小説だったなんて!
美しい比喩や情景描写は言わずもがな、日本語としての音律のようなものも心地良く、何気ない会話文でさえ詩的に感じられました。

無為徒食で気ままに生きる島村と、雪国の温泉宿で芸者として身を削る駒子。
島村を待つことしかできない駒子の心情が切なかった。
酔って部屋に押しかけるくだりが何度もでてくるのですが、そのときの駒子の若干精神不安な言動が愛おしい。
なんか他人事のように思えなかった…。
その2人の間に葉子も絡んできて、結末はやるせない。
燃え盛る火事の炎と、夜空にひろがる雄大な天の河がそれと対比するかのようで、いっそう美しかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 名著
感想投稿日 : 2017年1月31日
読了日 : 2017年1月30日
本棚登録日 : 2017年1月30日

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