国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
川端康成の「雪国」です。
はじめて読んだのですが、まさかこんな大人の恋愛小説だったなんて!
美しい比喩や情景描写は言わずもがな、日本語としての音律のようなものも心地良く、何気ない会話文でさえ詩的に感じられました。
無為徒食で気ままに生きる島村と、雪国の温泉宿で芸者として身を削る駒子。
島村を待つことしかできない駒子の心情が切なかった。
酔って部屋に押しかけるくだりが何度もでてくるのですが、そのときの駒子の若干精神不安な言動が愛おしい。
なんか他人事のように思えなかった…。
その2人の間に葉子も絡んできて、結末はやるせない。
燃え盛る火事の炎と、夜空にひろがる雄大な天の河がそれと対比するかのようで、いっそう美しかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
名著
- 感想投稿日 : 2017年1月31日
- 読了日 : 2017年1月30日
- 本棚登録日 : 2017年1月30日
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