風俗嬢としてお客に呼び出される女の子たちを描いた短編集。
次から次にもれなく頭のネジぶっとんでるような病み切った女の子たちが出てきて、だけどみんなぶっとんでるなりに一生懸命切実にその瞬間を生きていて苦しくなった。
メンヘラ、とひとくくりにしてしまえばそれまでなんだけど。
愛に飢えていて、とにかく誰かに愛されたい子たち。愛されるにはどうすれば良いのか分からない子たち。
彼女らは、決して男の身体や綺麗な服やおいしい食事や光り輝くトパーズなんかではない、そんなものではない何かを多分必死に捜している。
村上龍小説の女の子特有の、句読点なく息もつかせずのめり込んで読まされるあの語り口が大好き。
私の話をきいて!私の話をきいて!あれもこれもきいて!という決壊したダムのようにしゃべりまくった後、最後の最後で本当にふいにぽつんとつぶやかれる本音のようなもの。
その、どこにも行けずに途方に暮れてさまよう、持て余してしまった本音からただよう寂しさが、私にはたまらない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2017年6月27日
- 読了日 : 2017年6月20日
- 本棚登録日 : 2017年6月20日
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