群青 (shogakukan paperbacks)

著者 :
  • 小学館 (2008年9月30日発売)
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本棚登録 : 245
感想 : 70
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ピアニストの由起子は、病気療養のために訪れた島で漁師の龍二に出会い、恋に落ち、やがて女の子を身籠もる。
しかし、娘・凉子を産んだ後、由起子は儚(はかな)く他界。残された凉子は美しく成長し、島の幼馴染の漁師・一也と愛し合うようになる。だが、一也は結婚に反対する龍二に反発。漁師のプライドを賭けて深く海に潜り、帰らぬ人に。
最愛の人を失った凉子はショックで心を病み、父にも、凉子に思いを寄せる幼馴染の大介にも心を閉ざしてしまう……。

またまた宮木あや子……ですが、この小説はまた一味違うお話でした。
あらすじだけ読むといかにもお涙頂戴要素てんこ盛りのフルコースで興醒めですよね。まさに実際その通りなのですが、あろうことか私は終始ひたすら泣いてました。いやここまで泣かせますかっていうくらい泣いてましたね。
感動を全面に押し出した小説は構えちゃうし白けてしまい、本当に感動することって余りなかったので自分でも驚きです。宮木あや子の丁寧で繊細な筆致の威力を改めて実感。
南の小さな島っていう舞台設定もぴったりでした。

素直に感動できるので、とにかく泣ける小説を探している方には強くオススメしたい一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(国内)
感想投稿日 : 2013年10月12日
読了日 : 2013年9月26日
本棚登録日 : 2013年9月26日

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