「応募者の経歴や経験を知るという観点から、最も多くの情報が得られる質問は次のうちどれか?
A 履歴書にそって経歴を説明してください
B 自己紹介をしてください
C 自分自身をひとことで表現してください 」
このような、求職者に対する問いや求職者からの回答から、求職者の真意を読みとる訓練を、具体的な質疑を通じて積んでいこうというもの。
ちなみに、上記の正解は「B」で5点、次点は「C」で3点、最も解答から遠いものが「A」で0点となっており、このような問いが全部で50問、合計250点満点で何点とれたかで、面接官としての力量が分かるという内容になっている(ちなみに、私は第1部が125点中72点、第2部が125点中125点の合計197点でした)。
本書の特長は、50問の具体的問題を通じて、面接官に必要な着眼点や考え方が自然と養われる点である。
そして、それを要約すれば、①まず、求職者の回答が面接官の問いの答えになっているか(特に求職者の回答が長くなる場合、自然と論点がずれてしまい、結果とし問いと関係ない話が中心と成ってしまうことがままある)、②YES,NOで答えられる質問ばかりしていないか(このような質問はあまり会話の発展性が期待できない)、③求職者の回答について、具体的な裏付けとなる話があるかどうか、④③において、求職者の回答が不十分な場合、さらに具体的な質問を投げかけられるか、などである。
これだけ読むと、そんなことは(少なくとも抽象的には)わかっているという方が多いと思うが、本書の特長は、そのように抽象的には理解されていることを、具体的事例の積み重ねから帰納的に理解させるところにある。
つまり、この50問を解けば、ある程度面接官としての勘所が掴めるように出来ているのである。
- 感想投稿日 : 2010年2月21日
- 読了日 : 2010年2月21日
- 本棚登録日 : 2010年2月21日
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