29歳のクリスマス (新潮文庫 か 29-4)

著者 :
  • 新潮社 (1998年11月1日発売)
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感想 : 19
4

ドラマは見たことがないのですが、面白かったです。
毎回典子と彩と賢が、美味しいものを食べながら飲みながら、あーでもないこーでもないと愚痴ったり喧嘩したりするのですが、それが目の前に見えているようなんです。

一生懸命やっている者が馬鹿にされて、深く考えずに要領よく人を踏みつけにできる人ばかりがいい目を見る。
では、自分も踏めばいいではないかと思っても、やっぱり踏まれちゃうんだ。

踏んで自分を嫌いになるよりは、踏まれる側でもプライドを持って生きたい。
そんな3人にエールを送りながら、さくっと読みました。(550ページをほぼ1日で)

最終的に、どう見てもハッピーエンドになったのはひとりだけなんですが、自分で選んだ生き方を、胸を張って生きて欲しいと残りのふたりに対して思いました。

バブルがはじけた後のドラマなんですかね。
主題歌をマライア・キャリーが歌っているがために、権利関係の問題があってビデオ化できなかったらしいです。

退職した父親とふたりで過ごしながらちっとも幸せに見えない母親が、「女の幸せは結婚よ」と、働く娘にせっせと結婚話を持ってくる。
できる女性部下を、徹底的に苛め抜く男性上司。
若さを売りにして、先輩女性の働きを鼻で笑う女性社員。

多分今でも、どこにでもある光景。
男女平等なんて、学生時代までの話だから。

でも今は、若い男性も、働きにくい時代なのかも。
胸張って生きるために、言うべきことはちゃんと言おう。
典子は元上司を殴ったぜ。←それがいいかどうかはさておいて

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年7月21日
読了日 : 2015年7月21日
本棚登録日 : 2015年7月21日

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