円周率の謎を追う 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦

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  • くもん出版 (2016年11月8日発売)
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青少年読書感想文全国コンクール中学校の部の課題図書。

数学が苦手で、とにかく計算ができません。
だけど数学をはじめとした、理系のノンフィクションは好きなんです。

和算といえば関孝和。
そのくらいしか知りませんでしたが、実はそのくらいしか知られていないのだそうです。
彼は幕府の役人でしたが、家を継いだ養子が不祥事を起こしてお家断絶になってしまったため、彼の遺した資料なども亡くなったのだそうで。

名前を残そうなんて全然考えていなかった孝和は、その業績もほとんど弟子が出版したくらいでしたが、とにかくすごい!
ゼロの概念がまだない江戸時代、縦書き漢数字で方程式という方法を考え出す。
西洋数学より200年も早い数学的発見がある。

算盤、天元術、算木・算盤。
電卓もパソコンもない時代に、円に内接する正多角形の周の長さを計算することによって円周率を導き出そうとする。
正三万二七六八角形の周の長さ…。

なんでここまでやるのか。
ただ数学が好きで、真理を知りたかっただけ。

江戸時代の数学は義務教育でもなんでもないので、本当に好きな人たちが、時に頭を寄せ合って、時にひとりで解けないと言われる問題の解法を考える。
こういう数学者たちのおかげで、明治になって西洋の数学が入ってきたときも、難なく理解できたのだそうだ。

西洋数学を知らないはずの関孝和が、なぜ西洋の数学者とおなじように、数学の一般的な法則や真理を追究できたのか。
その謎は今も、調査研究されている。

それにしても内容はともあれ、この本の体裁は、本当に中学生向きでいいのでしょうか?
小学生でも読めると思うけどなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月5日
読了日 : 2017年8月5日
本棚登録日 : 2017年8月5日

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