君と彼女と彼女の恋。初回限定版

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感想 : 3
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奇抜さあふれる挑戦作。
このゲームで主張されるテーマを形にするための演出であったりつくりであったりシステムであったりは凄かったし文句なし。


攻略済みヒロインがいる中でその娘を裏切って他ヒロインを攻略したらどうなるかという話。選択肢を選びヒロインの高感度を上げそのヒロインを攻略し、その後セーブ&ロードを駆使して全キャラ攻略をするのがふつうというゲームに疑問を投げかけた作品。テーマ自体はとても興味深いものだった。そしてそのテーマのための演出であったりシステムであったりは色々な手法をつかったり凄いものもあったりと文句なし。ただそういった部分を抜きにして物語そのものを楽しめたかと考えると個人的にはそこそこという印象。メタ要素が多いということもあり物語にはまりこむ、世界観に浸るというよりは作者のメッセージを考えさせられる作品かなという感じだった。

プレイ後にこのタイトルはよく考えられているなと感じた。




物語に関してもう少し。最初はアオイ√やりたいなぁと思って進めていたのにやたらみゆき√に進めといってくるし、それでも選ばないとそこで話が終わってしまう。みゆき√を終わらせてやっとアオイ√に進んだら、それにたいして「永遠を誓ったよね?」とか言われる。そんなこと言われてもあなたを選ばないと物語が先に進まないんですが…とか思いながらやっていた。あとはヒロインの魅力よりも異常性を強く感じてしまったため、最後の選択は消去法的に考えた。加えて片方のヒロインが「私は消えてもいい」とかいってるしそれなら別にいいかなと思って物語の整合性を重視して選択した。だからいろいろ言われる最後の選択肢でもあんまり悩まなかった。
話の構造的に全体の流れはしょうがないし長さ的にもこのくらいがちょうどいいとは思うけどそれでももう少しヒロインの魅力を感じれたらよかったなぁというのが物語に対する正直な感想。

それでも着手したテーマは興味深いと思うし話自体もまとまってはいたと思う。そして演出は物語に沿った衝撃的なものもあればちょっとした細かいところに配慮したものもあり文句なくよかった。その辺からこの作品はおもしろいというより「凄い」という印象が強い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エロゲ
感想投稿日 : 2013年7月2日
読了日 : 2013年6月30日
本棚登録日 : 2013年6月30日

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