カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット こ 14-1)

著者 :
  • 祥伝社 (1999年7月1日発売)
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感想 : 115
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心の闇や歪みから病んでゆく女たちを描いたモラル小説のような作品でしたが、最後はしっかりミステリーでした。病んでしまう人は痛みをまっすぐに受け止めてしまう。でも質が悪いのは、痛みに気づかない鈍感さから周囲を傷つける人間です。私はどちらかといえば後者なのではないかと慄然としました。私の周りにも合田医師のような人がいたら、心も身体も安心して悪意に立ち向かえるのに。鈍感力を身に着ける必要もなかったのに。歪んだ女性が痛々しくも、魅力的な登場人物たちのおかげで爽やかな読後感です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年4月3日
読了日 : 2017年4月3日
本棚登録日 : 2017年4月3日

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