とある町に引っ越してきた小学6年生の栗林ユク。同級生の人気者、東田ハネズに声をかけられ、町のシンボルてんぐ城山、通称「てんぐんじょう」を写生の時間に一緒に描いていた。そこにやってきたのは担任の石丸先生。先生にみどり色を使うよう指摘され、ユクは納得のいかない絵を描くことになってしまう。寡黙なユクは先生に反論できなかった悔しさから絵を破いてしまい──。
花を愛する少女と交流を中心に、絵を描く意味の深さや少年の成長を描いた作品。2015年度夏、第61回青少年読書感想文全国コンクール、小学校高学年の課題図書。序盤の展開になかなか読み進めず苦心しましたが、いじめと勘違いされ思わず家を飛び出し電車に乗るところからスイスイと読み進められました。心の内を家族にすら上手く説明できない苦しさがよく伝わりました。また、絵を描くために、植物ひとつひとつの特性を知り描くのだと説明するカエデ先生の話、とても興味深かったです。好きな場面は177頁からの、夢中になって思い浮かぶ植物を何枚も描くところです。絵を描く喜びに満ち溢れてると感じた。ケイタも含め仲良くなる様子も微笑ましい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(小学5~6年生向け)
- 感想投稿日 : 2015年7月11日
- 読了日 : 2015年6月11日
- 本棚登録日 : 2015年7月11日
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