団子の材料»
雑食な人間の脳みその中です。 読み終わった本やら読みたい本、はたまた漫画やゲームやらの記録。 2012年1月以降に手に取ったもの。
レビュー by だんごさん
春が二階から落ちてきた。
こんな文章から始まる物語。
語り手は、その春の兄である泉水。ちなみにどちらもスプリング。
仙台で起きる連続放火事件を追いつつ、家族の過去やそれぞれの思惑が絡み合っていく。
それはまるで、DNAの螺旋階段のよう。
謎解きの部分で、それぞれの現場の頭文字がDNAを意味しているところは分かった。
でも単純な私は、2をtwoと読むと思いつかず、そこで戸惑っていたのだけれど。
遺伝子や血の繋がりを簡単に飛び越えてしまう、父の言葉。兄弟の想い。
考えすぎるのは良くないんだよ、という言葉が頭に残る。
伊坂作品の登場人物の言葉は、なんでこんなにも自然と入ってくるんだろう。
この作品は特に、頷いてしまう言葉が多いように感じる。
でもこの後、春はどうするんだろうか。
春の理屈だと、このまま生きていくのは難しいんじゃないかと思ってしまうけれど。
映画もいつか見てみたい。
レビュー登録日 : 2012年02月01日
引用
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「乾杯」という言葉が父は好きだった。握手に似ている、という言い方もした。
― 51ページ -
「人生というのは川みたいなものだから、何をやってようと流されていくんだ」と言ったこともある。「安定とか不安定なんていうのは、大きな川の流れの中では些細なことなんだ。向かっていく方向に大差がないのなら、好きにすればいい」
― 71ページ -
『自分で考えろ!』
― 97ページ -
「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
― 106ページ -
「自分が考えているようなことは、別の人間も考えているってことだ。大抵の企みは自分に返ってくる」
― 178ページ -
「不幸だとか、病気だとか、仕事が忙しいだとか、とにかく、自分が他の誰よりも大変な人生を送っている。そういう顔をしている。それに比べれば、あの鳩のほうが偉い。自分が一番つらいとは思ってもいない」
― 187ページ -
「人を救うのは、言葉じゃなくて、美味しい食べ物なんだよね」
― 196ページ -
「気休めっていうのは大切なんだよ。気休めを馬鹿にするやつに限って、眉間に皺が寄っている」
― 196ページ -
「自分たちが、過去に虐殺を行なった生き残りだ、と認めるのは大きな第一歩だ」
― 246ページ -
「どんな事柄にも意味があると思うのは、人間の悪い癖だよ。原因を探そうとするんだ。犬や猫は結果にしか興味がない」
― 296ページ -
「おまえは俺に似て、嘘が下手だ」
― 456ページ






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