訃音・・・エリート故のプライド。いや、普通の人でもこういう妙なこだわりや世間体を気にした感情ってあるよな、はっとさせられました。
怪物・・・悪行に取りつかれたある貴族の話です。
寝たきりであるが為に、様々な思いが錯綜しています。かつて悪の限りを尽くした男の、あまりにも哀れな物語。
鍵のかかる部屋・・・財務省勤めの青年が、九歳の少女へ抱く異常な感情を描いています。
夢の中での話が、非常に不気味です。三島さん、ヤバい人だっていうのがよく分かります。(笑)
しかし、短編ながら、長編のような完成度。
私には少々、難解と感じる作品が多かったです。
表題作「鍵のかかる部屋」は最も三島らしく、引き込まれる内容でした。
どの物語も、人間がふとしたときに抱くけど、なかなか言葉にできない感情が描かれていて、改めて作者の
表現力の凄味を感じました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年4月7日
- 読了日 : 2014年4月5日
- 本棚登録日 : 2014年1月1日
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