自分の好きなシチュエーションに時間ものがある。なぜ時間ものが好きなのかと問われるとそれはもとに戻せない、さきに進めない世界であるからだ。
この作品もタイムスリップを扱っている。
劇団うさぎの眼の新米役者、和希の前に現れた少女祐里、彼女は27年後の未来からやってきたという。そして和希に近づいた目的は劇団内で起きた殺人事件の容疑者を救うことだった。だが殺人事件は起きてしまい容疑者はつかまる。彼女と容疑者との関係は?そして未来から来たという真意は?
謎をちりばめながらも軽妙なタッチで迫る。いちおう青春ミステリーとなってるが本書はれっきとしたSFだ。筒井康隆の時をかける少女、眉村卓のなぞの転校生を思わせるストーリーにわくわくさせられる。
一応トリックはあるが大したものではない。ひょっとしたら貫井ファンの人からみればこんなのでは納得できんとブーイングが起きるかもしれないがSFとしてみればよく出来た作品である。
時間を越えたトラベルロマンス、時には面白いですよ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年11月14日
- 読了日 : 2017年11月14日
- 本棚登録日 : 2017年11月14日
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