原爆が端々で悲劇を匂わせつつも,どこか浮世離れした空気で満たされた話たちの断片集です.
キーアイテムの路面電車や,登場人物たちの曖昧な生死に,銀河鉄道の夜を思い出しました.
違う点は,最後の主人公ムギの行き先が彼岸とも此岸とも取れる余韻を持って終わっているところでしょうか.この空気を書き切った作者に脱帽です.
幻想世界に浸りたい人には,お勧めかと.
私は中盤からのお話のリズムがとても好きです.
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2010年10月22日
- 読了日 : 2010年10月22日
- 本棚登録日 : 2010年10月22日
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