たまたま古本屋で手に取った本だが、やはり河合隼雄さんは外れが少ない。
親子関係において、独立と依存は反対語ではない。適度な依存を得てこそ、子はある日すっくと立ち上がり歩きだすことができるという話。
「天使のまねをしようとするものは、悪魔のまねをするに至る」子供に良い子であれと求めすぎると、内側で悪魔的あるいは陰的な因子が育っていくことは避けられないという話。
いまの若者は、場の倫理を前提として個の倫理を加えたものに従っているという話。
読み終わって2日経ち、断片的にしか思い出せないが、これらは全て家族のある中年の、つまりは働きざかりの、おじさんの直面する問題として繋がる。
会社で奮闘する一方で、家族のセンシティブな問題にも向き合わないといけない。
そんなおじさん達の切迫感が伝わってきた。
河合さんのいうように、今まさに「中年学」なるものが必要かもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年8月3日
- 読了日 : 2017年8月3日
- 本棚登録日 : 2017年8月3日
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