燃えあがる緑の木〈第3部〉大いなる日に (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年3月2日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 11
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もうこれ、たいへんだー。
大江健三郎さんは本当に妥協しない人ですね。
信仰を背負う人を真面目に書くって、もうとんでもなく疲れるはずなのに…

新・ギーおにいが現代のキリストでありブッダであって、でも宗教=インチキの図式も人々の中にある。
宗教や奇跡や祈りなんて曖昧なもの、今時力を持たないんですよね。
原発の方が余程信頼されてしまう。
そういう部分を物語に都合よく誤魔化したりしないで、新・ギーおにいの葛藤をちゃんと言語化して、投石で殺してしまう。

あまりに真っ当過ぎてハラハラ感がなかったのは残念ですが、もうこういう話が書ける作家なんてほとんどいないんだろうなぁ。

12.06.25

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 大江健三郎
感想投稿日 : 2012年6月26日
本棚登録日 : 2012年6月26日

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