もうこれ、たいへんだー。
大江健三郎さんは本当に妥協しない人ですね。
信仰を背負う人を真面目に書くって、もうとんでもなく疲れるはずなのに…
新・ギーおにいが現代のキリストでありブッダであって、でも宗教=インチキの図式も人々の中にある。
宗教や奇跡や祈りなんて曖昧なもの、今時力を持たないんですよね。
原発の方が余程信頼されてしまう。
そういう部分を物語に都合よく誤魔化したりしないで、新・ギーおにいの葛藤をちゃんと言語化して、投石で殺してしまう。
あまりに真っ当過ぎてハラハラ感がなかったのは残念ですが、もうこういう話が書ける作家なんてほとんどいないんだろうなぁ。
12.06.25
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カテゴリ:
大江健三郎
- 感想投稿日 : 2012年6月26日
- 本棚登録日 : 2012年6月26日
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