清潔で明るい、王道の“白”沖田さんでした。
沖田に関して、曲者だったり不思議ちゃんだったりという解釈の多い昨今の本を読みつけていると、誰からも好かれていい子すぎるのが物足りなくもあるけど、悩める人間的な総司が逆に新鮮。
歴史的な筋は深追いすることもなく、さくさく軽く読める感じ。少し前まで読んでいた緻密な木内作品と比べると、ほんとにあっさりに感じてしまったけど、その分、総司や周囲の人間たちのたわいもない生活ややりとりが描かれているかな。
新選組の歴史の後半って面白い部分なのに、沖田は病が重くなることもあって、あまり事件の中心に関われなくなっちゃうんだよね。
でも、この話は沖田の物語なので、後半になっても史実を曲げない程度に随所に顔を出していて、それがいいような悪いような。
とりあえず、土方さんの思考が、総司中心に回っているのがスゴい(笑)。別れのシーンも熱かったけど、よもや風邪&看病なんて王道ネタがくるとは^^^^
とはいえ、沖田の人の良さも、土方との絆も、鼻につくほどではないのがいいと思う。
他の女性作者の新選組もので、全然ダメだったものはダメだったので。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年3月3日
- 読了日 : 2011年3月3日
- 本棚登録日 : 2011年3月3日
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