鬼さん、どちら (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館 (2015年11月12日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 12
5

プロットの巧みさに唸る。読後、心がじくじくして、すばらしかった。「鬼」を扱いながら、テーマはファンタジーではない。「ふつうのひと」とは違うことが一目でわかってしまうひとたちと、その周りのふつうのひとの葛藤を描いた話。
連作短編で、登場人物は共通している。みちるちゃん(メインの主人公)のおじちゃんが、話数を重ねるにつれ衝撃の過去を背負っていることが明らかになるのがとくに印象的。
たとえばこれをもっと現実にあるような症状や障がいに置き換えても、なんら変わることのない心理だと思う。だが、「鬼」(この話のなかでは「突起症」という"病気")というファンタジーで少し位相をずらして提示するところがものすごくうまいなと思う。「桃太郎」が「差別的表現だ」として国語の授業で規制を受けてるところとか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: まんが
感想投稿日 : 2016年2月8日
読了日 : 2016年2月8日
本棚登録日 : 2016年1月14日

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