清潔で所作も滑らかでそれでいて悪気のない女たらしで自分だけのものにはならないニシノさんが存在したら絶対に好きになっているだろうと思うほどに、彼が魅力的に映った。その一方で、どこか冷ややかで暗い部分をもつ彼がひどく寂しく見えるのが怖くて、これ以上愛してはいけないと感じて彼から離れていく女の人たちの気持ちも分かる気がする。結局愛し愛されするというのは一体どういうことなのかますます分からなくなり、この先一生分からないままだからこそ恋愛っていいものなんだろうなぁなどとぼんやり感じる、余韻の残る作品。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2015年12月9日
- 読了日 : 2013年9月3日
- 本棚登録日 : 2015年12月9日
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