日々の繰り返しの中で少しずつ溜まった小さな傷み。一つ一つは何気ない事でも、それがどんどん大きく広がっていく、、、
死に場所を探して、北へ北へと向かってたどり着いた田舎の民宿。
いっぱいの自然と、田村さんとの出逢いが少しずつ千鶴の心をときほぐしていく物語。
澄んだ空気の冷たさ、にわとり小屋に敷き詰められたワラのにおい、新米の甘さ、、、
どれもが手に取るように鮮やかに感じられました。
田村さんの人柄が、凄く魅力的。
田舎でのスローライフに幸せを感じながらも、自分の居場所ではないと感じ、元の生活に戻っていく部分はとてもリアルでした。
全体的にはほんわかとした温かい雰囲気。
疲れた心を癒したい人に読んで欲しい一冊。
人それぞれの生きて行く場所をしみじみと考えさせられる作品です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年2月10日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年2月9日
みんなの感想をみる