太陽の黙示録 (9) (ビッグコミックス)

  • 小学館 (2005年8月30日発売)
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感想 : 11
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かわぐちかいじ『太陽の黙示録』9巻を読んだ。
 宗方操暗殺計画を中止して、柳舷一郎を救った海峡同盟の幹部雲井竜児。彼がこれまで時々でてきた北海道生まれで被災後の北日本(ノースエリア)で医師の父と難民キャンプの人々へ医療を施していた子だとつながった。
 海峡同盟の首領公文讃は舷一郎達に仲間に加われ、さもなければ死だと迫るが、舷一郎は北海道に渡りこの目で北日本の現実を見て日本復興の道が統一なのか分断なのか見極めたいと讃の申し出を正面から断る。讃も舷一郎の人物を認め、雲井を尾行につけて舷一郎達を送り出した。
 舷一郎は札幌に旅立つ前に操との約束通り恵理を操に会わせる。恵理は操を救うために一緒にはいられないと告げて、北海道に旅立つ。
 札幌に着いた舷一郎達が見たものは、中国に支配された北日本の姿だった。舷一郎は北日本の情勢を大きく変えていこうとする北日本の裏の顔、董藤卓也の存在を知る。董藤が裏の顔から、表社会にでてきて、その野望の片鱗を見せ始めた矢先、舷一郎は董藤に呼び出される。

 舷一郎が海峡を渡り、いよいよノースエリアにというのが9巻だ。9巻で、旧体制を引き継いでいるはずの北日本が中国に支配され、悲惨な状況になっていることが改めて示されていく。第2次大戦中の逆の状況がここにはあるわけだ。人道支援は南日本や他国からなされるのだが、それは北日本の政府とつながる闇社会のもの達によってほとんどうばい去られ、難民には届かない。同様の現状が中東やアフリカ、北朝鮮などで実際に見られのだけれどそれを彷彿とさせる。その物資を横取りした勢力が、北日本の運命の趨勢を大きく動かしていくのだろうが、これからどう展開するのか見所だ。裏組織のボスかも知れない董藤卓也の存在が気になる。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス
感想投稿日 : 2005年9月24日
本棚登録日 : 2005年9月24日

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