2014年6月26日読了。祖父の死を前にして「大きくなったらカレー屋をやろう」と約束した従兄弟たち、別の道を進みだした5人が祖父の思い出のカレーの元に再び集まる・・・。青春カレー小説。日本-アメリカ(バーモント州)-インド(バラナシ)-沖縄と続くロードムービー的な楽しさもあり、祖父のカレーの謎を解くミステリでもあり、父親に対する複雑な思い・将来に対する不安を克服していく成長小説でもあり。複雑だけどシンプルで、奥が深いけどありふれていて、馴染み深いけど新しい。「カレー」をテーマにすれば、未熟だろうがとっちらかっていようが「煮込んで味付けすればおいしくなるんだよ」とばかりにほっこりといい小説ができあがる、ということなんだろうなー。700ページを超える分厚い本の割りに、「マジックタッチ」の説明が不足していたり、それぞれの従兄弟の心理描写がいまいち浅かったりと不満もあるが、それ以上の満足感を受ける小説だった。カレー食べたい。
読書状況:読み終わった
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その他フィクション
- 感想投稿日 : 2014年6月26日
- 読了日 : 2014年6月26日
- 本棚登録日 : 2014年6月26日
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