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Menina Books(Menina)


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笑う、避難所 石巻・明友館 136人の記録 (集英社新書)

頓所 直人 名越 啓介

/ 集英社 / 2012年01月17日 発売



ネタバレ  石巻市の公民館、明友館。津波に追われて、自然発生的に136人の避難所となった。行政の避難所ではない「自主避難所」が、どのように束ねられて動いていったか。そして、ついには「支援を受ける避難所」でありながら「ほかの避難所を支援する」拠点にまでなったのはなぜか??
明友館でのルールはただ一つ、「トイレで大をしたら水を汲んできて流す」。それだけ。「人間らしい生活をしよう」とだけを語りかけたら、住人それぞれが自分で頭を使い、動き出した。で、ここはよくある段ボール仕切りとも無縁。
悲惨な避難所生活であるはずなのに、常に笑いが絶えず、音楽があり…。支援とは何か、リーダーとは何か、人と人が一緒に生きるって何か、さまざまな問いに力強い答えを提示する。


2012年05月28日 | コメント(0) | 読み終わった (2012年05月28日) |

贈りもの物語〜大切なひとを幸せにする逸品とお手紙

重延 浩

/ 宝島社 / 2012年05月11日 発売



ネタバレ  「お取り寄せ本」ならば世の中にはごまんとあるけれど、それとは一線を画した本。
TVマンユニオンの会長が27年間、お中元・お歳暮に贈った全国の逸品とそれに添えた手紙。誇りと愛情を持って丹念につくられた品々を自分の目と舌で見定め、「これ」とほれ込んだものだけを贈る。
そして、それに添えられる「今年お贈りする品」についての、丁寧な丁寧な手紙がなんといっても素晴らしい。夏と冬、つねに季節の話題で始まるのに、同じ文章は絶対に出てこない。「手紙の書き方」の指南書でもあれば、名品を謳う「名作コピー」でもあり、要するに「うつくしい日本語」の手本のような文章がつづく。
美しくおいしそうな品々を眺めて思いを馳せるもよし、手紙の書き方に困ったときに手にとるもよし。手元に置いておきたい一冊。


2012年05月28日 | コメント(0) | エッセイ | 読み終わった (2012年05月28日) |

グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)

トム・ロブ スミス Tom Rob Smith 田口 俊樹

/ 新潮社 / 2009年08月28日 発売



ネタバレ  「ダイ・ハード」が面白かったのは、ジョン・マクレーンが今にも負けそうで死にそうで情けなかったからだ。「2」「3」…と続いて彼が不死身のスーパーマンに見えてきたら、もういけない。
前作では主人公の人間性に目覚めていく様子とそれに伴う圧倒的な孤独感が真に迫り、胸に響いたのだが。ちょっとレオがマクレーンっぽく見えてきた気がする…ので、上巻を読んだところでお休みすることにする。
もしかしたら、下巻では違う展開があるかもしれないけど。


2012年05月23日 | コメント(0) | 小説 | いま読んでる

おじさん図鑑

なかむら るみ

/ 小学館 / 2011年12月07日 発売



話題の本ですね。意外におじさんたちに売れていると新聞で読んだ。日本中にいる「おじさん」を分類・図録化、まさに「図鑑」。なんてったって秀逸なのはイラスト。「あぁ~いるいる!」って絶対、みんな、つぶやきます。
「おじさん」って言っても、50代以上かな。40代はまだ「おじさん若葉マーク」なんだろうか。
う~ん、でも、「だから何なんだ?」って感じの本ではあった。この本を読んで役に立つことは、たぶん、ひとつもない。


2012年05月22日 | コメント(0) | 読み終わった (2012年05月22日) |

チャイルド44 下巻 (新潮文庫)

トム・ロブ スミス Tom Rob Smith 田口 俊樹

/ 新潮社 / 2008年08月28日 発売



旧体制下のソ連。自分以外の他人はだれ一人として信用できない。国家保安省の捜査官である主人公は、体制は理想国家への最適な道と信じて疑わず、反する者は容赦なく逮捕・拘留していた。…が、ある事件をきっかけに信じていたものすべてが揺らぎだす。そこに、さらに事故と遺族を無理やり説得した少年の遺体に酷使した状況の子どもの他殺体が見つかり…。
主人公の自己再生や夫婦関係の再生も組み入れ、そのうえ不気味な連続殺人事件、それを追う主人公はまさに孤立無援という濃密な物語。
ミステリは寝食忘れてしまうので最近はあえて避けているが、時々どうしても我慢できなくなり手を出してしまう。だからこそ本当に没頭できる作品を読みたい。この本はまさにぴったり。難点は、どうしてもシリーズ次作が読みたくなること。


2012年05月19日 | コメント(0) | 小説 | 読み終わった (2012年05月19日) |

ほめられる盛りつけのルール---ふだんの料理がおいしくグレードアップ!

吉田 瑞子 吉岡 彰子

/ 河出書房新社 / 2012年03月22日 発売



友人宅にときどきお呼ばれすると、その盛りつけがいつも「なにかちょっとかわいい」ので、感心する。さすが元CA。
マネしたくても、センスのない私にはなかなか…と思っていたところに出あった本。なるほど!と言いたくなるコツを教えてもらった気分。レシピもちゃんと巻末に載ってはいるけど、この本の主役はあくまで「盛りつけ」。食器も、ごく普通のものばかりを使っている点も、よい!


2012年05月15日 | コメント(0) | 料理 | 読み終わった (2012年05月15日) |

火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)

ジャック・ロンドン 新井 敏記 柴田 元幸

/ スイッチ・パブリッシング / 2008年10月02日 発売



『野生の呼び声』などで、ジャック・ロンドンの名は聞いたことはあったものの、手に取る機会を逸していた。本書は知人のブログで興味をひかれて読んだ。短編集であり、それぞれ「生きること」を問うている。
物語のあまりの厳しさに目を背けたくなることが多々あるが、それでも吸い寄せられるようにページをめくった。
多くの人が感想を述べているように、私も表題作「火を熾す」に圧倒された。もうひとつは年をとったボクサーが、飢えて自分の帰りを待つ家族のためだけに試合に臨む「一枚のステーキ」。一枚のステーキを食べることができたら、もう少し力に自身を持てて試合に挑むことができるのに…。そしてその試合はどうなるか。
ところで、読む者がつい入り込んでしまう物語ばかりなので近代の人かと思ったら、なんと19世紀末の作家だったロンドン。傑作は時空を超えるのだ。


2012年05月13日 | コメント(0) | 小説 | 読み終わった (2012年05月13日) |

アラスカを追いかけて

ジョン グリーン John Green 伊達 淳

/ 白水社 / 2006年11月 発売



ピュアで過激で、スイートで苦い青春物語。
シモン・ボリバルの「一体どうやってこのラビリンスから抜け出せばいいんだ?」という言葉がキーになる。まっすぐラビリンスに突っ込み突き抜けていった魅力的なアラスカと、アラスカのせいで深いラビリンスに迷い込む語り手のバッジとカーネル。
突拍子もないアラスカと、彼女を見つめるバッジが主人公だけれども、この物語では誰にも「それぞれのラビリンス」があることが感じられるのがよい。それまではわき役だった友達のタクミの存在が後半になってぐっと強くなったとき、物語の厚みも増した。
ほんの数行しか登場しないアラスカのお父さん。ルーマニアから移民してきたバッジの彼女。生徒の敵にみえて実は…の厳格な先生。
それぞれがそれぞれのラビリンスで模索しながら手探りで、道を進んでいる。


2012年05月13日 | コメント(0) | 小説 | 読み終わった (2012年05月13日) |

新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」 (ほぼ日ブックス)

ほぼ日刊イトイ新聞 板尾 創路 ピエール瀧 天久 聖一 浜野 謙太[SAKEROCK] 金井 壽宏 河野 晴樹 しりあがり寿 みうらじゅん 矢沢 永吉 ほぼ日刊イトイ新聞 糸井重里

/ 東京糸井重里事務所 / 2010年04月26日 発売



「はたらく」ってどういうことなのか、私も実際働くまで全然わかっていなかった。「就職」の向こうにあるものは曖昧模糊としていて、やたらと疲れる嘘ばかりの不気味な世界が広がっているんじゃないかと思っていた。
本書では「はたらく」、「就職する」とはあなたにとってなんですか、と人事のプロ、漫画家、自由業集団、そしてなんと「矢沢栄吉」に話を聞いている。
どれもおかしみたっぷりで、しかしながらいみじくもきちんと自分で自分の始末をつけてきた人たちの、現実的で哲学的な話ばかりだ。心動かされ、笑い、身につまされる。
今日・明日の就職活動には役に立たないかもしれない。けれど、糸井さんが言うように「詳しそうだったり、大事そうだったりする地図よりも、遠くの灯のほうが、人を力づけられる」役割を果たす本だろう。そして、いま働いている人たちには存外、足元を照らす灯となるのではないだろうか。


2012年05月10日 | コメント(0) | くらし | 読み終わった (2012年05月10日) |

グラニー (アグネス・ブラウン3部作)

ブレンダン・オキャロル 伊達淳

/ 恵光社 / 2011年12月06日 発売



『マミー』、『チズラーズ』に続く、アグネス・ブラウンとその子供たちの物語の第三部にして最終章。これでブラウン家とお別れかと思うとさびしくて、大事に読み進めた。
子どもたちもすっかり大人になり、さまざまなことが現実的な問題としてふりかかってくる。アグネスは心を痛めながらも、「きっとあんたなら大丈夫」というメッセージを、言葉でも、言葉でなくても、しっかりと送り続けるのが素晴らしい。そして、やっぱりアグネスはどこかで子どもは子ども、私は私、ときちんと自分の人生を楽しもうとしているのも素敵。
なにがあってもあんたなら大丈夫よ、そう言える母さんに私もなりたいと思う。


2012年05月06日 | コメント(0) | 小説 | 読み終わった (2012年05月06日) |

チズラーズ

ブレンダン・オキャロル

/ 恵光社 / 2011年05月20日 発売



読み終わるのが惜しくなるほど面白かった『マミー』の続編。ゆっくり味わおうと思っていたのに、やっぱり面白くて一気に読み上げちゃった。
愛すべきボケ母さん、アグネスと7人の子どもたちの物語。本作では子どもたちが思春期を迎え、それぞれが決して平たんとは言えない道を歩んでいくことになるだろうことを予感をさせる。
なんとも言えずのんきなアグネスに爆笑を誘われつつも、時にほろり。
物語の最後の一文で涙・涙。「笑いあり涙あり」って、こういう物語のことを言うんだろうなあ。


2012年05月03日 | コメント(0) | 小説 | 読み終わった (2012年05月03日) |

ふらり。 (KCデラックス)

谷口 ジロー

マンガ / 講談社 / 2011年04月22日 発売



伊能忠敬、蝦夷へ出立する前の江戸での日々を詩情豊かに描き出す。鳶、猫、桜、蛍、月、雨…一章ずつのテーマに沿って、ゆるゆるり、これは漫画というよりも…なんだろう、グラフィックポエジー?
一歩=二尺三寸、この歩幅を安定させ、歩測で一歩一歩、あらゆる距離を測る。どこに行くにも、つい歩数を数えてしまう。
足下に目を凝らし、蟻や亀の視界を得たと思うと、天を仰いで星を見て、蜻蛉になって江戸を見下ろす…。その異能を見せるがごとく。
読み終わるのが惜しいような一冊だった。


2012年05月02日 | コメント(0) | コミック | 読み終わった (2012年05月02日) |

老いのくらしを変えるたのしい切り紙

井上 由季子

/ 筑摩書房 / 2012年01月10日 発売



著者の『住み直す。』に感銘を受け、本書も読んだ。母の入院でとつぜん独り暮らしを余儀なくされた79歳の父。無趣味で何もできない父に…と著者は「切り紙」を勧める。
無口であまのじゃくの父をその気にさせるのは大変だったようだが、一度始めてみると…。
「美しいことをする時間」を持つ。家族と共通の話題ができた。使用するのは新聞紙、広告などなので、身辺のデザインに常に目を光らせるようになった…など、よいことばかりとなった。
「娘の仕事に役立っている」という自負、社会とつながる喜び、作品を仕上げる達成感。いくつになっても人間がいちばんうれしいことってこういうことなのだろうな。
とてもよい本。読んでよかった。


2012年04月29日 | コメント(0) | くらし | 読み終わった (2012年04月29日) |

野蛮な読書

平松 洋子

/ 集英社 / 2011年10月05日 発売



ネタバレ  希代の名文家、平松さんの書評…がありきたりの「書評」となるはずもない。日々の暮らしに溶け込むようにして本があり、あの美文の背骨は途方もない量と良質の読書にあるのだとよくわかった。
食エッセイストであるのだから、当然、食にまつわる本もたくさん。
正岡子規、池部良、獅子文六、沢村貞子、そのほかたくさん、全103冊が紹介されている。


2012年04月23日 | コメント(0) | エッセイ | 読み終わった (2012年04月23日) |

海が呑む 3.11東日本大震災までの日本の津波の記憶

花輪莞爾 山浦玄嗣

/ 晶文社 / 2011年12月01日 発売



ネタバレ  3月11日を中心に、奥尻島、三陸沖地震、チリ地震、東南海地震の津波なども交えた文字通り「海が呑む」とはどういうことかを細かくルポルタージュした。本編は読み進むのがつらく、すべてを通読できていない。しかし、巻末の山浦玄嗣さん(『ケセン語訳新約聖書』訳者であり、開業医)の特別寄稿には強くゆさぶられた。自身の被災体験、一刻も早く病院を開けようと奮闘したこと、気仙衆の誇り。都会のジャーナリストたちが投げかける「なぜ自分たちがこんな目に遭うのか、と神に問うことはないか」という愚問に対する答え。そして底に流れる山浦氏のユーモア精神。
この寄稿文だけでも、というと著者には失礼だが、一読に値する。


2012年04月22日 | コメント(0) | エッセイ | 読み終わった (2012年04月22日) |


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