いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(2) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社 (2015年2月23日発売)
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感想 : 26
3

借りたもの。
福島第一原発の廃炉作業は少しずつであるが確かに進んでいた。
廃炉に向けての具体的な作業の一部(解体とか)が描写され、大変な環境(放射能だけでなく防護服着た状態とか、低賃金とか…)で作業されている事が垣間見れる。

1巻では(どうしても)主に放射能対策ばかりに目がいってしまっていたので、「今」を知るためにこうした描写があるのが大切だと思った。
現場での風景の変化――瓦礫の撤去、解体だけでなく女性職員が現場に入るようになったこと等、悪い方向に行っている訳では無いのかもしれない。

作者の“楽しむ”姿勢が心強い。
地元のB級グルメや、パチンコだけでなくバーで演歌演奏したりと地元の人達との交流が描かれる。
休耕田のコスモス畑に遭遇するエピソードは、自然の力強さにも癒やされたのだろうと想像する。

コミックを出したことでの周りの反応だけでなく、各種マスコミから受けた取材のエピソードには、興味深いものがある。
現場でさえもあらぬウワサが立ったり、週刊誌などマスコミでさえも極論や尾ひれの付いたウワサが実しやかに報道される現実は、震災から3年(2014年)経っても変わらないようだ……
勿論、何が真実なのか、現場に私たちはメディアを通してしか知れないのだが……このコミックを通しても然り。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年3月8日
読了日 : 2016年3月8日
本棚登録日 : 2016年1月14日

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