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怨霊になった天皇についての夜池家(嫁)さんのレビュー


夜池家(嫁)の本棚。»

夜池家(嫁)が読んだ本・持ってる本・借りた本・欲しい本を 詰め込んだ本棚です。

怨霊になった天皇 103人が登録 ★3.33

著者: 竹田恒泰 
本 / 小学館 / 254ページ / 2009年01月30日発売

レビュー by 夜池家(嫁)さん

知識   読み終わった  読了日 : 2009年04月26日  4  登録日: 2009年04月26日

この本は、「怨霊」を肯定した日本の裏歴史に
ついて書かれている。
…ばっさりとこう書いたが、事態はもっと
複雑である。なので、詳しく書こうと思うと
自分で迷路から出て来れなくなりそうなので
ばっさりと書こうと思う(いいのか。。。;)。

主に、保元の乱で後白河天皇に敗れ讃岐国へ
配流された崇徳天皇を中心に物語は進んで行く。
崇徳天皇をはじめ、憤死を遂げ怨霊とされてしまった天皇達を
見つめ、日本人がいかに「許す文化」を培ってきたか、
また今の世の中に足りないものは何かを探る。

以下、『怨霊になった天皇』より

…しかし、鬼や天狗、怨霊などがいる世の中は健全である。
相手は全てを見通す力を持つだけでなく、生きる者の命を
奪う事もできる。生死を握られているほど恐ろしいものはなく、
これを認識すれば、見えないものに恐れを抱かざるを得ない。
 そのような人間の力を超越した存在が認識される社会は
むしろ健全に違いない。

〜中略〜

「お天道さまが見ている」と思えば悪いことはできないものだ。
昔から日本で語られてきた妖怪談は子供たちへの教訓の意味が
強かった。怨霊が語られたことも、「人を許しなさい」という
教訓を与えてきた。
 ところが、今の日本社会には鬼や天狗、そして怨霊や
妖怪も見当たらない。畏まるべき存在を見出せない者が
多くなっているように思えてならないのだ。

〜中略〜

そしてそれは死者と大自然への畏敬の念が
足りない事にほかならない。


少し話はずれるが、私は世の中の摩訶不思議な
出来事が、全て科学現象で説明出来てしまったら、
それはつまらないし、寂しい気がする。
怖いけれど、何か不思議な存在の作用だと
しても、それはそれでありうると思う。
多分、この「怖い」という気持ちも大事なんだろう。

百人一首に収められた崇徳天皇の御製

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の
       われても末にあわむとぞ思ふ」

…川の瀬が早いので、岩にせき止められる滝川の水が、
二つに分かれても後にまた合流するように、
私たちも一度は仲を引き裂かれたとしても、
必ず再び一緒になれると思いますよ、という意味だそうだ。
この本を読み終わって、この歌の意味を
しみじみと感じる事が出来る。
著者の竹田氏が書いているように、この歌を心に留め置き、
同時にこの歌が世界に広まれば良いな、と思える一冊でした。 レビュー登録日 : 2009年04月26日


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