<非婚>のすすめ (講談社現代新書)

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  • 講談社 (1997年1月20日発売)
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090102購入。090104読了。
「ザ・フェミニズム」で上野女史は「結婚するか、しないかではなく、フェミニストなら結婚という『制度』そのものを認めるべきでない」といったようなことを言っていた気がする。メタに言及する行為は物事を批判的に見る場合には重要な方法だ。森永氏はこの本で人々に深く根付いた結婚観を懐疑的に検討していく。
1989年の「1.57ショック」に見てとれるように、日本の出生率は低下を続けている。この出生率の低下は実は極めて政策的奈ものである。
岩倉具栄の『戦時人口政策』は戦争へ向けて恣意的に母性をコントロールすることで子どもを増やそうとした(1941年)。1947年から1960年の間に、団塊の世代を最後に日本の出生率は4.54から2・00へと激減する。これは『日本繁栄への道』に端を発する、日本の企業が先導した策であった。電産方賃金によって労務型になった企業構造は、安定した企業戦士の育成のため「一家に子ども2人」という現代の標準家庭を根付かせた(第1の家族革命)。1973年をピークに再び少子化。晩婚化、単独世帯者の増加による少子化である(第2の家族革命)。
・出生率の低下の大きな原因→第1革命
・家族構造の変化→第2革命
日本の家族構造は、大家族→核家族→単独世帯と変遷している。
<日本型恋愛>
・愛の3要素「性愛、相互依存、相互理解」
・ドラマチック・ラブ・イデオロギー
多くの夫婦が逓減する「相互理解」や「性愛」の基にありながら、愛情をもち続けていられるのは「相互理解」がそれとは逆に時間をかけるほど増大するからである。
<税制・年金>
・個人課税(現行税制)では片稼ぎ世帯に不利(累進課税)なため、配偶者控除がある。
・公的年金は女性の方が優遇

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カテゴリ: 社会・文化・メディア
感想投稿日 : 2008年11月29日
読了日 : -
本棚登録日 : 2008年11月29日

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