「とんびが鷹を産む」とは果たして嘘か誠か。
読み始めてから読み終えるまで、
ずーっと喉を締め付けられ、目頭は熱いまま、
何度涙で文字が読めなくなったことか…。
泣ける泣ける言うとなんだか軽くなりそうで、
本当はあんまり言いたくはないのだけれど、これだけ泣けるものは仕方ない(笑)
ストーリーそのものに泣けるというのも、もちろんあるんだけれど
全く同じではないにしても、ヤスさんから不器用にあふれる愛を見て、「あ、これ知ってる」という既視感に自分にも与えられていた愛を重ね、
どうしようもなく泣かされてしまうような気がします。
ヤスさんの振る舞いは時に正解とは限らないけれど、いつも全力。
それゆえにいきすぎてしまうこともあるし、
かと思えば言いたいことを言えずに口をつぐんでしまうこともある。
ヤスさん自身が言っているように「後悔しだしたらきりがない」人生は、
みんなそれぞれ形は違えど、同じなんだろうな。
この本はすごく「いい話」なんだけれど、
きれいごとだけではないところも魅力的な作品です。
「とんびが鷹を産む」だと、からかわれるヤスさんだけど、
なんのことはなく、ヤスさんだからアキラなんだろうな。
そんな当たり前のような奇跡が、しっかり存在していることがとても嬉しく思えます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
★小説
- 感想投稿日 : 2013年2月13日
- 読了日 : 2013年2月4日
- 本棚登録日 : 2013年2月13日
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