『生は短し術は長し』、"ヒポクラテスの誓い"などで有名なヒポクラテスであるが、彼が行った最も偉大な業績は、医術を迷信や神聖から分離して学問としての確固たる基礎付けを成したことであろう。
本書では、
環境と病の関係
病と迷信との分離
医学と哲学との戦い
医療技術
病理学・臨床学
医師の立場(ヒポクラテスの誓い)
に関して述べ、現代まで語り継がれている医術の普遍的立場を明らかにしている。
当時迷信や祈祷の対象であった病をこの様に技術的に捉え分析するのは、医術が学問として確立した今でこそ容易に思えるが、当時の価値観からすればとんでもなく突飛で天才的なことだ。
この様な当たり前のことに捕らわれない立場は、現代人も持つ必要があるだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
世界の名著50
- 感想投稿日 : 2010年12月1日
- 読了日 : 2010年12月1日
- 本棚登録日 : 2010年9月26日
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