若冲

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著者 : 澤田瞳子
adagietteさん 日本の小説   読み終わった 

伊藤若冲をはじめて“それ”と認識して観たのは、2008年のトーハク 対決-巨匠たちの日本美術展
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=55
トップアーチストを対比させて次々と展開する素晴らしい展示だったが、好き嫌い抜きで 強烈に記憶に残ったのが 若冲 vs 蕭白のギトギトの作品群。
さぞやクセの強い人物か?と思いきや、立派な青物問屋の跡取りなのに家業をほっぽらかして画ばかり描いたと知るにつれ、なんだかわけがわからなくなる。

今年はサントリー美術館で、クジラvs白象の巨大屏風を観て、あ〜〜この人実物は観てないんや!と確信。
しかし、上手くて上手くて!
ヘンテコリンなのに上手くて 観たとたん笑っちゃうくらい上手い。
↑イマココ 、という若冲体験の途中でこちらを読む。

短編8編が時系列にそって並ぶ。
隠居のいきさつ、池大雅との交友、円山応挙との出会い、家業の危機に奔走する話、蕪村の悲哀、義弟の哀れ、
嫁が自死して、彼女の実弟が贋作画家で、生家からは疎まれ、母に嫌われ、というあたりは作家の創造。
登場する有名画家の生い立ちがよく織り込まれているし、生家のある錦高倉市場のピンチに奔走するくだりはしっかりと実話に基づいている。
歴史学者の研究報告に2008年に美術史関係者が気づいて若冲がどのように生家を助けたか、より詳細がわかったという、そんな経緯も面白い。
そして、最後は 鳥獣花木図屏風の真贋を題材に、祇園会宵山の華やかさや若冲亡きあとの法要を舞台に、これまで登場したたくさんの人々を繋ぎ合わせて行く。
時代物らしいまっとうに泣かせる手法も光って、心慰められる大団円でした。

鳥獣花木図屏風vs樹花鳥獣図屏風、 観たいわぁ!

ああ若冲、京都に行ったら相国寺を訪れたいが、石峰寺の羅漢さんにもお目にかかりとぉす...♡

お供の画集は必須。

p.s. 澤田瞳子さんて 澤田ふじ子さんの娘さんなのですね。京都の素顔にお詳しい。

レビュー投稿日
2015年9月11日
読了日
2015年9月11日
本棚登録日
2015年9月11日
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