レビュー by adanさん
電子書籍が普及した現代で紙の書物はどのような存在なのか。
タイトルにはこのようなニュアンスが含まれているが、決して電子書籍と紙の書物とを比較検討する本ではない。これはこのタイトルの通り「紙の書物」についての本なのだ。
その内容はウンベルト・エーコとジャン=クロード・カリエールという二人の超本愛好家老人による対談。この二人の紙の書物に対する愛たるや。我々が考えるような読書好きとは次元が違う。本を読むものとして捉えている人間にとっては着いて行くことが出来ないレベルにある。本当に本そのものを愛していのだ。
そんな二人が紙の書物に関して延々と語るのであるからそのディープさたるや尋常ではない。本というものをあらゆる角度から検討し語り合う。
正直に言うと、言っていることを完全に理解することは難しい気がする。私の読解力が足りないのもあるのだろうが半分くらいしか理解出来なかった。と言うか読者に理解させる気なんてないのだろうな。まぁ好きなものについて熱く語っている人間に万人に理解出来る話をしろと言うほうが無理だわな。
じゃあこの本の価値は低いのかと言うと決してそうではない。個人的にこの本は雰囲気を味わうためのものなんだと思う。熱く語る二人を見て、あぁ、本ってやっぱりいいもんだなぁ、と実感する。そして、たまにへ~と言いたくなるような話が聞けたら儲けもの。
本の価値は決してそこから得られる知識のみではない。感慨や余韻やら、そのような類のものを楽しむのもまた一興だろう。本著はまさしくそれ。何かを得るのではなく、感じるために読む一冊。
これを読めば本に対しての見方がなんとな~く変わる。。。かもしれない。
レビュー登録日 : 2012年02月21日
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