2016年公開
監督 : 片渕須直
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戦時下の広島・呉で生きたあるひとりの少女の数年間を描いたお話。
「ふつう」であることから逃げずに素直に、沿って沿って生きてきた人の圧倒的なその「ふつうさ」は、なにもない上に絶対的に成り立っていることじゃあなくて、ある「ふつうさ」の上に染まって成り立っているのかもなあと、あの終戦の瞬間の号泣に思うのです。一番怒らなさそうな人が、一番嗚咽をあげて、それまでのこの世界の「ふつう」を恨むその瞬間。あんなにふつうな人までも戦争は黒く染めておかしくしてしまうのかと怖くなる見方もできる一方で、「ふつう」であることこそ、沿うことの最たるものなのかもしれないなあと。
最後のコトリンゴの歌で泣きました。あるふつうの数年間の日常にたまたま戦争が沿って起こっていたような、そんな不思議で怖い映画。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
human drama
- 感想投稿日 : 2016年11月26日
- 読了日 : 2016年11月26日
- 本棚登録日 : 2016年11月26日
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