子供はわかってあげない(上) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社 (2014年9月22日発売)
4.20
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本棚登録 : 1396
感想 : 92
5

読んだあとからずっと心に残る、この素晴らしいもやもやを、誰も形してくれない。

だから、感想を書きます。

「子供はわかってあげない」あらすじ
上下巻からなる、ガールミーツボーイ。2年の夏休みのちょっとした冒険譚です。
主人公の津田美波は天真爛漫。ふとしたきっかけで、書道部の門司くんと仲良くなり、とある御札を見つける。
その御札は、生き別れの父の手掛かり。今の幸せな家庭を壊すことに恐れつつも、「まぁ、黙って探せば大丈夫でしょう」と、夏休みの父親探しを決意。
門司くんと、その兄の自称探偵が絡んで、父親探しを始める。
だが、どうやら父親はとある宗教法人の教祖で、教団のお金を持ち逃げしているという。
なんだか、きな臭い雰囲気に…


あらすじだけ読むと、シリアスな感じがしますよね。てすが、暗い雰囲気は全くなし。天真爛漫な美波の性格と、門司くんのちょっと大人びたガキな雰囲気が、等身大の高校生感を出してて、物語はふわふわ進みます。

少年少女がちょっとだけ大人になる瞬間を、父親探しというストーリーの枠で綺麗に綺麗に切り取った作品。読んだあとには、親しい人にぽかぽかと愛を込めてパンチをキメたくなる感じ。

書いててわかりました。このもやもやした気持ちは、登場人物たちへの愛おしさです。

どうしようもなく愛おしくて、気づけばまた上巻から読み返していました。
万人にオススメできるお話です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年3月30日
読了日 : 2015年3月30日
本棚登録日 : 2015年3月30日

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