レビュー by ai-challengeさん
1).目次
序章アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第1章 暴走する宗教
第2章 デタラメな戦争
第3章 バブル経済と格差社会
終章 アメリカの時代は終わるのか
2).筆者の主張
・アメリカ人がいかに無知で勉強しなくなったかを宗教、政治、戦争の観点からさまざまな例を出して解説
・アメリカは、共和党が票集めのため、福音派を受け入れたことで、バランスの悪い共和党が誕生した。ブッシュ率いる共和党の政策は、自由主義経済、偏った政権運営となり、アメリカは崩壊の一途をたどっている。
・アメリカが政権運営、企業を海外に売り渡すたびに、外国が外貨を獲得し、ドルを買う。その結果、中国は巨大な債権国となりアメリカは反論できなくなる。
・アメリカは自由化とグローバリゼーションにより没落した。資源を温存した国々に民主主義と自由化を広め、自由競争したらアメリカは高資源、低賃金の国に勝てるわけがない。
・アメリカンドリームは死にかけている。昔アメリカ人は最初やってきたときは低所得の労働者だった。その労働者が必死に働き家を買い、子供を優秀な大学に入れ、所得を増やしていった。現在はアメリカの高学位保持者は皆アジア圏の人間である。
・それでもアメリカに希望がないわけではない。アメリカは血を入れ替えている。オバマ大統領選出は、守旧派(福音派)に支配されたアメリカに対する虹色のアメリカ(さまざまな人種の集まったアメリカ)の逆襲かもしれない。オバマ自身が、白人、黒人アジアなどさまざまな対立が集まっている。血の入れ替えがアメリカを復活させるかもしれない。
3).個人的感想
・アメリカをある局面から切った時に生まれる現実や矛盾を記載した本。事例はよく出ており、すべてを鵜呑みにはできないが、一つ一つは面白い。アメリカの文化が多様で、ゲイやレイプ、銃など日本ではあまり表に出ない話が集まっているのがよくわかった。
下記の話が印象出来だった。
・戦争を知らない大統領や閣僚が多いときほど、アメリカを戦争を起こしやすい。ブッシュは戦争に行ったことがない。昔はノブレスオマージュがあった。マケインの長男は戦死しやすい海兵隊に入り、自ら戦争に行った。現在は閣僚・議員の5%しか戦争経験がない。
・ウォールマートが激安なのは、生活保護を受けた従業員、大規模な雇用を創出するとして獲得した補助金に支えられている。ただ、結局問題なのは、アジアに生産を移管し、給与を下げ、格差を助長(賃金格差400倍)したアメリカである。
・投資銀行はもうかる商品に目をつける。サブプライムだって、株価がITバブル崩壊後、金利が下がり、資金が不動産に向かったことが発端である。不動産はアメリカ建国以来一度も値下がりしたことがない。そこに目を付けた人々が不動産を買いあさった。それに、従来厳しかったローンの審査が緩くなった。審査が緩くなったのは、ローンを投資銀行が買い漁ったからだ。買いあさったローンを証券化し、世界中にバラマキ収益を上げた。
・アメリカでは保険は民間保険がほとんど、民間保険(HMO)は保険料を支払わないほうがもうかるため、医療費の補助を非合法に断る例が散見される。
・保守とリベラルは結構違う
共和党のアメリカの伝統的な保守思想は自由主義である。信仰経済の自由を求めてヨーロッパから集まった人々は自由主義を標榜している。その自由主義の定義が様々である。
自由主義は、アダムスミスの神の見えざる手により資本市場が守られていることに端を発しており、神の信仰に支えられている。
ただ、1929年の大恐慌により、資本市場が乱れた。これをニューディール政策で救ったのが、FDルーズベルトである。積極的な政府介入を行い、弱者に雇用を創出した。画して民主党は富の再配分を実現、平 等の実現を党是とした。
共和党の自由と民主党の平等はアメリカを動かす両輪である。左側の平等に偏ると規制で競争が抑圧され、福祉の行きすぎで自助努力が失われ、官僚主義、共産主義、全体主義となる。右側の自由の車輪に偏ると、弱肉強食の無政府状態になる。2大政党がバランスをとりながらアメリカという国を押し出していく。ルーズベルト以降、60年代は民主党が支配したが、経済が停滞した。80年代のレーガンが小さな政府を目指した新自由主義をとった。ブッシュも同様に、自由主義をとりながら、財政赤字を垂れ流して国民負担を増やした。
外交面のアメリカの伝統は、不干渉主義・孤立主義で、モンロー主義といわれる。これに対抗するのが、国際連盟を呼び掛けたウィルソン大統領のウィルソン主義で、他国の自由や平等に積極的に関与する。例えば、ルーズベルトは第2次世界大戦へ、ジョンソンはベトナムに軍事介入した。一方で、共和党は従来、イデオロギーを超えた現実的な外交を行うことが多い。ソ連と雪解けを行ったアイゼンハワー、中国との国交回復をしたニクソンなどである。
ブッシュはもともと控え目な外交と言っていたが、積極外交をとり、政策を左右のハイブリットにしてしまった。
登録日 : 2009年03月15日 00:35:53


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