おれたちの故郷

著者 :
  • 集英社 (2014年6月26日発売)
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感想 : 34
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 故郷と言えば、実家と当たり前のように思っていたけど恵子おばさんがそれであり、自分たちもいつか誰かの後ろ盾になれるような大人になりたいといって、どんどんいい男になっていく陽介や卓也は太陽みたいだ。自分の不遇を人の所為にすることなく切り開いていくのは簡単なことじゃない。魴鮄舎のみんながいるからこそなんだと思う。ひとりはキツイもんな。
 魴鮄舎のみんながまっすぐなのは、恵子をはじめそっと手を差し伸べてくれる大勢の大人たちの存在も大きい。そして陽介や卓也は自分たちもそんな大人に近づきたいと思う。大人って、本来そんな存在であるべきだよなぁ。いつも何かにくたびれている姿をさらしていたら、子どもは大人になんかなりたくないだろう。家庭でも職場でもエネルギッシュでありたいと思う、恵子おばさんみたいに。手本にならないところもあるけどそんなことより、余力を残さないがむしゃらな生き方は村瀬先生同様に応援したくなる。応援したくなる人って、確かに恵子おばさんみたいな一面をもっているかもしれない。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年5月16日
読了日 : 2017年5月16日
本棚登録日 : 2017年5月16日

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